一年間暇だしなんか続けようとおもう #176

176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2020/05/24(日) 11:35:06.87 ID:dTwB/FDl

熊出(くまで)山はここらで有名な山だ
アクセスも良くて手軽だから小学校の遠足で登ったりする
もちろんそれは俺も例外じゃない
若菜さんに言われたが過去に熊出山に登った時にいろいろとあったのだ
えぐられた心からぽろぽろと苦い思い出が零れ落ちてきた

「!!。若菜のパンツ苺柄じゃん、かわいいな!」
「○○君そういうのやめた方がいいよ。気持ち悪い」
「え?」
「○○、俺もう友達止めるわ」
「え?」
「きっしょ、あんた一生童貞になる呪いかけといたから」
・・・あれのせいで、俺はいまだに卒業どころか彼女もいないのだろうか
若菜さんのきっしょの口癖は今も健在のようだ
そもそも山にスカート出来てたアイツが周りから浮いてたんだ
それを察した小学生の俺が華麗に笑いに変えてやろうとしたのに。失敗したけど
あのころからさん付けするようになった幼なじみに向けて俺はどうすることも出来ないもどかしさを感じている
それから、そう、あれは中学のPTA行事で登った時のこと

「先生ー、○○君がもじもじしてまーす。」
「い、いや、これは、ちょっと膀胱が膨らんでるだけで…。山頂まで持ちますから」
「うん?そうか。あんまり我慢するなよ。」
「はい!」ブリブリ
「……」
「せんせーい、○○君後ろから出ちゃった見たいでーす」
「きっしょ、あんたはカレー柄のパンツが好きなのね」

違うんだ。返事をしたときについ肛門の方に力が入っただけなんだ
先生の我慢するなよに応えたわけじゃないんだ。信じてくれよ
独りの弁明と、反省会は熊出山の山道入り口に来るまで続いた
山道といっても細い道などはなく、峠といった方が近い
活気あふれる木々が辺りを新鮮な空気で満たしている
道は基本的に開けていて、結構眺めもいい
現実を思い出し行き先を変えようか悩んでいたが山に罪は無いようだ
山頂からの眺めを期待し、俺は熊出山へと足を踏み入れた
少し進んだところで分かれ道がある
「どちらへ進もうか」

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