一年間暇だしなんか続けようとおもう #130

130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2020/03/14(土) 23:49:27.86 ID:WhvdeCcT

「そのイヤリング、どこで買ったの?」
つぶらな瞳でクマ野郎を見つめる
「・・・」
クマ野郎は押し黙ったまま喋ろうとしない
むむ、どうやら脚を触ったことに怒っているらしい。話も聞いてもらえないと打つ手なしだ
なら先に、
「…そのイヤリング、綺麗だな」
「‥‥!」
反応がある。にらみつけていた瞼がわずかに上がり、いくらか表情が和らいだ。小学生の時の苺パンツ事件ではパンツを褒めたからあんな目にあったのだ。褒めることは間違ってない!
「ここは海から遠いのに貝殻がついてるんだな」
「コレ、ヒロッタ」
よし!口を開いたぞ!心の喜びを悟られないよう続けて質問をする
「そうか、ところでお前もう疲れてないだろ?勝負しなくてもいいんじゃないか?」
できるだけ優しく、そして疲れたようにクマ野郎に問いかける
「ショウブハ、ショウブ」
「俺が諦めるまでは、付き合ってやるってことか。優しいんだな」
計策中ではあったが、自然と言葉が出た。こいつはこの勝負に案外と真剣なのかもしれない
「でも、俺は、大分疲れたよ。走ってへとへとだし、のども乾いた。なあ、そのイヤリング、近くで見せてくれないか」
「…ムッ!」
「そんな目で見るなよ、むざむざと殺されるにしても、最期に少し綺麗なものを見させて死なせてくれよ」
両手を挙げて、少しずつ、クマ野郎に近づいていく
刹那、ふっと糸が切れたように前のめりに倒れこむ。鈍い音とともに右顔面を強打したが、身体は肉塊のごとく脱力した
「…オイ」
突然のことにクマ野郎がこちらに近づいてくる
いける、いけるぞ!脳まで響く頬骨の痛みを興奮に変えて、寸でのところでこの状態を保っている。少し躊躇したが、布団になだれ込むように倒れた甲斐があった
流石に至近距離からの一撃ならクマ野郎の耳にも手が届く
クマ野郎は一歩、また一歩と俺の方に近づいてくる。この期に及んでも、こいつは結構慎重だった。そして、半目で横たわる俺の目の前に、自分の顔よりも大きいその足を置いた
「……、……、

 ▶ 飛びつく!!
   我慢だ!!

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