チノ「ココアさん、あの……。」 #1

1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2017/02/11(土) 01:11:01.26 ID:e3lqxEZU

ココア「ん?どうしたのチノちゃん?」

チノ「えっと……。」

おずおずと尋ねてみたものの、本当に聞いていいものかと、チノは逡巡した。

ココア「チノちゃん、最近元気なさそうだけど、何かあった?」

チノ「なんにも……。」

ないです、と続けようとする前に、チノは口をつぐんだ。
原因である張本人にそんなことを聞かれ、なにやらムカムカとした感情が胸に溢れてくる。

チノ「どうして……。」

衝動に口を押し開かれる。

チノ「どうして、最近私に抱き付いてこないんですか?以前はしつこいぐらいに抱き付いてモフモフしてきたくせに、もう飽きてしまったんですか?」

恥ずかしいとわかっていても、言葉が止まらない。チノはココアを問い詰めないわけにはいかなかった。

ココアからチノへのスキンシップが減ってから、およそ一か月。
ココアは、チノを抱きしめることによってエネルギーをもらっていたのかもしれないが、実は、チノの方こそ、肌を通してココアから愛情というエネルギーをもらっていたのだった。

チノ「私、変なんです。ココアさんに抱き付かれるのなんて嬉しくなかったはずなのに、いざココアさんが抱き付いてこなくなると物足りなくなって、嫌な気持ちになって、こんなのおかしいってわかってるのに、でも……。」

ココア「チノちゃん!」

ココアは叫び、散らばった宝物を掻き集めるようにして、チノを両腕で抱きしめた。

ココア「私のほうこそ、おかしくなっちゃったんだよ。私、もう、チノちゃんのこと気軽に抱きしめられない。チノちゃんのことが……好きだから。」

チノ「えっ!?」

混乱するチノに向けて、ココアは辛そうに、絞り出すようにして、思いの丈を打ち明ける。

ココア「好きすぎて、もう、だめなんだよ。チノちゃんのことを想うとドキドキしちゃって、だめ……なの。」

愛してるよ、チノちゃん。

ココアの腕の中で、ココアの暖かさを肌で感じながら。チノは、愛の告白を、たしかにその耳で聞いた。

このスレッドを全て表示


このスレッドは過去ログです。