物語とか書いてみる #30

30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2017/01/07(土) 20:22:43.01 ID:QeP/IaMk

 ジェットコースターは縦横無尽にレールを駆け巡った。その間、ずっと成田は歓声をあげ、俺はひたすら耐えていた。ようやくジェットコースターがブレーキを掛けた頃には俺はかなりぐったりしていた。視界は涙でぼやけ、耳鳴りがしていた。少し頭痛もする。

 ジェットコースターはゆっくりと建物の中に入った。「おかえりなさーい」というスタッフの声が聞こえ、ジェットコースターが止まった。安全バーを上げて降りると成田が
「いやぁ楽しかったねぇ!」

 と言った。俺が力なく

「そうだな」

 と答えると、成田はじっとこちらを見てから

「もしかして須藤、泣いてる?」

 と言った。

「いや泣いてないけど」
「だって、涙が……」心配そうに顔をしかめている。

「あ、いやいや。これは風が目に入ってから出ただけだから。泣いてるわけじゃないから大丈夫」勘違いされては困るので全力で否定する。

「そうなの?」

「そう。心配ない」

 普段通り振る舞おうと、持ち物を預けてあるロッカーに向かいながら成田に向けてこう言った。

「でも、ちょっと休むか」

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