物語とか書いてみる #26

26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2017/01/07(土) 19:56:41.59 ID:QeP/IaMk

 しばらくすると、部屋の中でスタッフが「おかえりなさい」と言うのが聞こえた。どうやらさっき出ていったのとは別のジェットコースターが帰ってきたらしい。ジェットコースターから降りた客たちの声で部屋の中が少しざわつく。「すげぇ怖かった」「もう一回乗ろうぜ」といった声が聞こえる。

 入れ替わりで、並んでいた客たちがジェットコースターに乗る。両脇で控えていた2人のスタッフが安全バーがちゃんと下りているか確かめているうちに、俺たちも部屋に通された。中にいたスタッフに案内され、ジェットコースターに沿うように横2列で並ばされた。俺たちはやはりジェットコースターの一番前に乗るようだ。

「それでは、いってらっしゃーい」とマイクを付けたスタッフが言うと、目の前のジェットコースターがゆっくり動き出す。さっき安全バーを確認していたスタッフたちがすれ違いざまに乗客とタッチする。

 ジェットコースターが行ってしまうと、マイクを付けたスタッフが乗車中の注意事項を説明し始めた。帽子や眼鏡はとること、カメラは持ち込まないことなど階段の壁に貼ってあった注意書と同じような内容だった。最後に、貴重品を脇にあるロッカーに入れるよう言って説明は終わった。

 ロッカーに財布と携帯電話を入れて列に戻ると、ジェットコースターが部屋に入ってきて列の前で止まった。乗客たちは、安全バーを上げて降りてくる。楽しそうな顔をしている人がほとんどだが、中には足元をふらつかせながら歩いていく人もいた。

 乗客が降りたあとを、スタッフが落とし物がないか確認し終わったところで「足元にご注意しながらご乗車ください」とアナウンスが入った。

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