プロデューサー、女、梅毒先生。三人の遺体を丁重に葬り、二人はベランダに出た。
外はいつか映画で見たようなゾンビの集団が、何かを求めてさ迷っていた。
つぼみ「……」
野獣先輩(もっとちゃんとバイオハザードやっときゃよかったぜ)
つぼみ「このまま飛び降りるのもありですよね」
野獣先輩「え?(難聴)」
つぼみ「……こんな世界、きっと嘘なんだって。きっと飛び降りて落ちる瞬間、夢から醒めるんだと思います」
野獣先輩「……」
つぼみ「私、もう疲れた」
野獣先輩「待てよ」
つぼみ「……」
野獣先輩「俺を置いてイクの?」
つぼみ「じゃあ一緒に飛び降りましょうよ」
野獣先輩「う~ん。でもさ、その前にちょっちやっときたいことがあんのよね」
つぼみ「……」
野獣先輩「ほら、女さんが言ってたでしょ?俺たちを大きな病院に預ければなんとかなるかもって」
つぼみ「……はい」
野獣先輩「それに、たぶんワクチンは俺たちがいないと作れない」
つぼみ「……」
野獣先輩「デスクにあった地図を見るに、あの大きなビル見えるだろ?あそこがこの辺りで一番大きな病院だと思う」
つぼみ「あそこに行くんですか」
野獣先輩「他に思い浮かばないしなァ」
つぼみ「……わかりました」
野獣先輩「大丈夫だよ。俺巷じゃ野獣先輩って呼ばれてるから。なんでそう呼ばれてるかわかる?」
つぼみ「なんでですか?」
野獣先輩「野獣並みに強いからだよ」
つぼみ「……こんな状況で。笑えない」
野獣先輩「あ、ちょった笑ったねFoo↑↑」
つぼみ「……」
野獣先輩「……」
つぼみ「行きましょうか」
野獣先輩「ぶっちっぱっ!」