安価でSS #22

22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/05/09(月) 03:53:48.24 ID:FS99Lb1i

プロデューサー「先生ー。連れてきましたー」

ワゴン車が停まったのは、住宅街に佇む小さな個人病院の前だった。

プロデューサー「まあいいや、入っちゃおう」

ガラガラガラ

野獣先輩「……」

つぼみ「……」

女「お邪魔します」



ーーーーーーーーーー


プロデューサー「先生ー?」


「あーこっちこっち」


プロデューサー「お邪魔します」

野獣先輩「……オッス」

つぼみ「……お邪魔します」

女「……」

梅毒「やあおはよう」

梅毒先生。彼もまたガスマスクで顔が覆われているが、その風貌はホームレス、それとも何日も帰っていない科学者だろうか。

医者には見えない。とにかく小汚ない印象を受けた。

梅毒「まあ座って座って。あ、そのへんにあるパンとか食っていいからね」

野獣先輩「あざす」

つぼみ「ありがとうこざいます。頂きます!」

梅毒「つぼみちゃんリアルで見るとかわいいね~」

つぼみ「……」

プロデューサー「早く話を進めて」

梅毒「んだね。じゃ、まずは事の始まりから」

ーーーーーーーーーー

要約すると、

つぼみと野獣先輩の撮影で、お互いの体液が混ざりあい、どういうわけか謎の細菌が生まれた。

梅毒「僕は『特殊型偏性細胞内寄生体(とくしゅがたへんせいさいぼうないきせいたい)』と呼んでいるけどね。長いし略して『変態』でいいか」

そいつは簡単に言うと微生物。

しかしその微生物は自身じゃ増殖することができず、別の生物の細胞に寄生して自身を増殖させる。

つぼみと野獣先輩の中で生まれたこの微生物は、二人に感染することはなく、二人を媒介して接触感染、唾液感染し、少しずつ拡大していった。

梅毒「こいつの厄介なところは今のところ致死性が100%。そして寄生先が人間の脳内、大脳辺緑系という主に快楽を感じる部位だということ」

梅毒「更に言うと、この『変態』は学習能力が高すぎる。ここ最近で感染者がグッと増えてね」

接触感染と唾液感染だけじゃ感染効率が悪いと思ったのか、空気感染、経口感染にまで適応した。

そして、

梅毒「ワクチンの開発目処が全く立っていないこと」

つぼみ「……ど、どうするんです?」

梅毒「今必死に開発中だよ」

野獣先輩「……」

梅毒「感染体は知っての通り、いわゆるゾンビとなる。が、ゲームや映画と異なる点は別に腹が減っているわけじゃないってこと」

女「どういうことです?」

梅毒「快楽を求めてさ迷っているのさ。性的快楽をね。つまり、襲われたら犯されるってこと」

つぼみ「最悪ですね……」

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