尋問は陽が落ちてもなお続いていた。
両者とも知らない、分からないの一点張り(と言うより本当に何も知らないのだ)で、捜査は思うように進まなかった。
ポリ「まあとりあえず今晩は留置場で寝てもらうことになるからさ。そうなる前にゲロって欲しかったけど」
つぼみ「……」
両者とも、しつこい取り調べに疲れ果てていた。
コップ「そういうことなんで、明日こそは頼みますよ本当」
野獣先輩「……」
コップ「……」
野獣先輩(1人で寝るのか……)
野獣先輩「一緒に、どう?」
コップ「はぁ?」
そうして、夜は更ける。
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つぼみ「ん……」パチッ
人生で初めて留置場で寝た。
つぼみ「……ふぁ~」
別に目覚めは悪くなかった。
つぼみ「今、何時だろう。お腹すいたなぁ」
携帯、財布、その他もろもろは警察に預けてしまった。
つぼみ「……」
嫌に、静かな朝だ。
コツ、コツコツ、コツ、
つぼみ「……?」
不揃いな足音が響く。当直さんも寝ぼけているのだろうか。
つぼみ「……」
コツコツ、コツ、
徐々に近付いてくる。
……何かおかしい。
コツコツコツ、コツ、
足音の正体。その姿が見える。
ポリ「……」
ずっと取り調べを受け持っていた警官……だが、なんだろうこの違和感は。
つぼみ「あ、あの……」
ポリ「……ぅぅう"」
つぼみ「……は、はやく開けてくれませんか?」
ポリ「……ぁあ"あ"ア"」
何だろう、あまりにも様子がおかしい。
つぼみ「あ、あの大丈夫━━━」
ポリ「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッ!」