25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 16:03:36.63 ID:6G+iKLzF女友A「ごめん男ー」
男「は?」
女友A「昨日見ちゃってさ、男が幼ちゃんに告白してるの」
男「…………え」
女友B「私達は友達にしか喋ってなかったんだけど……いつの間にか広まっちゃっててさ」
女友A「何か、今日学校来たらみんな知ってた。あはは」
男「そ、そう……」
男「(……最悪じゃねーか……っ!)」
女友A「あっはっは、ごめんごめーん」
女友B「そ・れ・で! 幼ちゃん! 聞いていい?」
女友A「何で振っちゃったの?」
男友A「おいおい……男が居る前で聞くか普通」
男友B「でもお前も気になるだろ?」
男友A「……そりゃあ」
幼「別にあなた達には関係ない。じゃあ、私行くから」
ガタッ スタスタ
男「お、おい……」
男「(どこ行くんだよ……これから朝のHRだってのに)」
キーンコーン
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 16:04:39.86 ID:6G+iKLzF女友A「あ、行っちゃった」
女友B「何か感じ悪ーい」
男友A「いやいや、あの聞き方はお前らも悪いって」
女友A「そうかなぁ?」
男友B「みんなの前でってのがまずかったんじゃ……」
女友B「でもあんな態度とらなくてもー」
男友C「小生も詳しく知りたかったぞ」
女友C「男~、詳しく聞かせてぇ」
ゾロゾロ ワイワイ
男「(うわ……)」
………
………
結局、幼馴染は二時限目までには教室に帰って来た
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 16:05:43.41 ID:6G+iKLzF◆三時限目
教師「では持って来るよう言った資料を出せ」
ガサガサ アレー?ナイー ヤベェオレモ
男「あ……」
男「(資料忘れてきた……)」
男「先生、すみません……俺も忘れてきました」
教師「何だ何だ、だらしない奴らが多いな」
教師「……忘れた者は各自、隣の人に見せてもらえ」
男「…………」
幼「…………」
女友A「キャー、やばいやばい」
女友B「見せてあげるのかな?」ヒソヒソ
幼「…………」 チッ
男「(うおぉ……すげぇ怒ってんじゃん)」 アセアセ
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 16:06:31.62 ID:6G+iKLzF幼「……はい」カサ
男「……あ、え……わ、悪ぃ……」
女友A「えー……見せてあげた意外~」
女友B「思った! 絶対見せてあげないかと」
幼「…………」
男「(クソ……居たたまれない……)」
幼「貴方のせいだから、これ」ボソッ
男「う……」
幼「…………」
………
………
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 21:18:07.73 ID:6G+iKLzF◆昼食時
男「……やっと昼が来た……長かったな……」
ガラッ
妹「兄さん、来ました!」
男「おう、じゃあB教室行くか」
妹「了解です」
スタスタ
男友A「…………」
男友C「あいつ昼休みになるとすぐ妹さんとどっか行くよな」
男友E「脱兎之勢ってヤツ?」
男友B「なぁ、妹ちゃんって可愛くね?」
男友D「俺も思ってた」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 21:18:54.69 ID:6G+iKLzF男友A「でも仮に付き合ったらよ……」
男友B「……男がお義兄さんか」
男友E「同級生が兄貴ってのはな……」
男友F「そういや結婚したら親戚って増えるんだな。忘れてた」
男友D「妹ちゃん可愛いか? 俺は幼馴染の方が可愛いと思うんだけど」
男友C「小生からすれば伯仲之間だが」
男友A「おう、どっちも可愛いよな」
男友B「どうする? 俺らでやっちまうか」
男友D「やっちゃいますか」
男友F「やっちゃいましょうよ!」
男友C「拳?」
男友E「お前ら悪ノリが過ぎるぞ……」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 21:19:49.81 ID:6G+iKLzF◆B教室
妹「ささ、早くお昼にしましょうっ」
男「まぁ待て、そう焦るなよ」
妹「待てませんよ!」
男「ほいよ」ゴト
妹「今日の弁当の中身は何かな何かな~♪」パカッ
男「…………」
妹「凄い、今日は銀鱈の照り焼き!」
男「おうよ、結構作るのに時間かかったぞ」
妹「……うん、美味しい!」
妹「美味しいですよ兄さん!」パクパク 
男「そうか! そりゃ良かった」
妹「うーん……でもちょっと……普通? 3点!」
男「どっちだよ」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 21:20:43.34 ID:6G+iKLzF妹「いつでも婿……いや、嫁に来れますね…………私の所に」
男「……そう」
妹「ええ、そうです」
男「……まぁでも……もうほぼそんな感じかな」
妹「……と、言いますと」
男「掃除も選択も食事も俺がやってるんだしさ」サクッ
男「家の家事全般、俺の仕事じゃん」モグモグ
妹「ほうほう……自覚があったんですか。でも、それじゃあ……」
男「ん?」
妹「私も言いたいことがありますよ」
男「なんだ、許す。言ってみろ」
妹「はい? 何で偉そうなんですかね」
男「えぇ……」
妹「ああ、これは失礼……怒りの沸点を超えてしまって」
男「(え? 怒ってんの?)」
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 21:21:52.82 ID:6G+iKLzF妹「とりあえずその話は置いておいて……」
男「うん」
妹「私が言っているのは……幼先輩に告白したことです」
男「はぁ?」
妹「いえ、もし私が嫁なら……」
妹「失礼。嫁は兄さんでしたっけ?」
男「…………いやどっちでも良いけど」
妹「浮気……というか、それ以前ですよね」
妹「私が嫉妬すると……それはそれはぁ……怖くなりますよ」
男「……いや、さっきのは例え話だろ」
妹「そんなことはわかってますよ。馬鹿」
男「お前は一言居士過ぎるな……えーと、で」
男「仮定の話で盛り上がり過ぎ。何だよ浮気って」
妹「……はいはい。そうですか。そうですよね」
男「何だよ、気のない返事して」
妹「もう良いです、早く食べないと遅れますよ」
………
………
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 22:22:20.37 ID:6G+iKLzF◆放課後
男「終わった……」 
男「(……今日は一日長く感じたな……) 」
ピリリ
男「ん、妹から……メール」 
『今日は委員の仕事があるので先に帰っててください』 
男「(へぇ、アイツも大変だな……)」 
ガタッ
男「(さて、じゃあ帰ろうかな……っと)」 チラ
幼馴染「…………」ガサガサ
男「……幼馴染」 
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 22:23:35.82 ID:6G+iKLzF幼馴染「なに……急いでるんだけど」
男「……何で怒ってるんだよ」
幼「……別に怒ってない。呼び止められて腹は立ってるけど」
男「(結果的に怒ってんじゃん……)」
男「……それでさ」
幼「さっきも言ったけど私、急いでる」
男「……何か用事でも」
幼「……あなたと同じ空気を吸いたくないから早くここを去りたいの」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 22:24:30.98 ID:6G+iKLzF男「お……OK牧場」
幼馴染「……からかってる? 用件を言って」
男「ごめん……えーと、家の方向……一緒だからさ」
幼馴染「…………」
男「帰らないか? いつもみたいに二人で」
幼馴染「……いつもの妹ちゃんは」
男「いや、今日は一緒に帰れないって」
幼馴染「ふーん。私は妹ちゃんの代わりってことね」
男「べ……別にそんなことない……」
幼馴染「どうかな」
男「本当だって!」
幼馴染「…………」
………
………
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 22:25:41.91 ID:6G+iKLzF◆帰宅路
幼「…………」
男「…………」
男「な、なぁ」
幼「なに?」
男「やっぱ……その、怒ってるよな」
幼「別に……怒ってないけど」
男「いや……怒ってるだろ」
幼「怒ってないって言ってるでしょ。怒るよ?」
男「あっ、ごめん」
幼馴染「…………」
男「俺……さ、お前に嫌われるようなことした……?」
幼「……私からも質問いい?」
男「嫌」キリッ
幼馴染「…………」
男「あははっ、いつもの幼馴染のマネ」
幼「死んで」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 22:26:37.68 ID:6G+iKLzF幼馴染「もう話したくなくなった」
男「……ちょ、だからごめんって……ちょっとしたジョーク」
幼馴染「うるさい」
男「悪かったから……話してみろって」
幼馴染「話さないよ。男、気持ち悪いから」
男「……殺生な」
幼馴染「じゃあ聞くけど……」
男「おう」
幼馴染「何で……あんな事したの?」
男「あんな事……?」
幼馴染「本当は好きでもないくせに」
男「なに言って……好きだからこそ……」
男「それに、さっきからお前の言葉、断片的過ぎて……何を言いたいのか分からねぇよ」
幼馴染「そう……別に分からなくてもいいもん」
男「いいもん……って」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 22:27:50.78 ID:6G+iKLzF幼馴染「私に告白? はッ」
幼馴染「……どうせ男は妹ちゃんの方が好きなんでしょう」
男「なに訳の分からない事……!」
幼馴染「そうやって男はいつも私の気持ちを……」
幼馴染「いつも……いつもそう」
男「お、おい落ち着いて……」
幼馴染「……私が何で男の告白受けなかったか分かる?」
男「俺に聞くのかよ……えーと、そうだな……やっぱり俺のこと嫌い……だから」
幼馴染「……全然違う」 
男「じゃあ何だよ」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 22:28:58.27 ID:6G+iKLzF幼馴染「あなたの事は好きだよ」
男「へ?」
幼馴染「でも……でも、もし私が男と付き合って」
幼馴染「今よりも、もっともっと男を好きになったら……きっと」
幼馴染「きっと今よりもずっと……妹ちゃんに嫉妬するんだって」
幼馴染「そう思ったら……馬鹿らしくて」
男「妹に嫉妬って……」
男「俺は確かに妹の事は好きだけどさ」
幼馴染「……や、やっぱ……り」
男「でも、それは家族としてであってだな」
男「そういう……恋人的な意味で好きなのはお前なんだよ」
幼馴染「……どうだか」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 22:30:51.54 ID:6G+iKLzF男「……本当だって。あいつ意外に結構馬鹿で不器用だし」
幼馴染「そういうとこだよね……結局」
男「えっ?」
幼馴染「いつも妹ちゃんに憎まれ口叩くけど、それが私には、まるでノロケにか聞こえない」
男「ノロケって……お前何おかしな事」
幼馴染「こっちの台詞。あなた達、少し仲が良すぎる」
幼馴染「私が妹ちゃんよりも男と仲良くなれる姿なんて想像できない」
幼馴染「だから断ったの」
男「ちょ、ちょっと待て。確かに、確かに妹の事は好きだ」
幼馴染「…………」
男「それを肯定した上で、お前の事が一番好きなんだ」
幼馴染「……嘘よ」
男「嘘じゃない」
幼馴染「嘘つく人は嫌い」
男「嘘じゃないんだってっ!」
幼馴染「……あまり大声出だないで」
男「あ、すまん……」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 22:32:09.01 ID:6G+iKLzF男「……話を戻すが……俺は妹とは別のベクトル……」
男「いや、妹よりもお前が好きだ……だから誤解しないでくれ」
幼馴染「誤解? 事実でしょ」
男「もう一度言う。俺と付き合ってくれ。お前が一番好きだ」
幼馴染「…………」
幼馴染「信じられない。本当に妹ちゃんより私の方が好き?」
男「……本当だ」
幼馴染「……私が世界で一番?」
男「もちろん」
幼馴染「浮気とか一生しない?」
男「当たり前だろ」
幼馴染「……ふーん」
男「…………」
幼馴染「…………そこまで言うなら……うん、分かった」
幼馴染「付き合ってあげる」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 22:33:22.19 ID:6G+iKLzF男「……え? いい……のか!?」
幼馴染「うん」
男「や、やったっ!」
男「無理かと思ってたけど幼馴染と付き合える!!」エッヘーイ
幼馴染「もう……恥ずかしいはしゃぎ方しないで」
男「 ドライブウェーに春が来りゃ♪アソレイエイイエイイエイイエイいいわぁ~」
幼馴染「あ……そうだ」
男「うん?」
幼馴染「さっき言った事。全部守れなかったら怒るから」
幼馴染「すっごい怒るからね、私」
幼馴染「……分かった?」
男「……う、うん」
男「(怒った幼馴染はまるで修羅苦羅の化身だから手が付けられないんだよなぁ……気をつけよう)」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/03/09(水) 22:34:03.38 ID:6G+iKLzF◆自宅
妹「……別れてください!!」バン 
男「……はい?」
妹「……兄さん? 何やってるんですか? 一度振られた相手に……女々しいだけですよ」
男「でもな。そういうことじゃないんだ、今回は。何と言うか……俺たちの間には誤解があったんだよ」
男「それを解決させての事だから」
妹「だがしかし……最初は兄さんのこと振った事には変わり無いでしょう」
男「いや…………え~~……まぁそうだけど」
妹「変ですって! 私なら……私なら……!」
妹「私なら最初に振ったりしませんもんっ!」
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