ドンドン ドンドン
ガキ「おーい!!おーい!!」
ガキ2「誰かいんの!おーい!!」
伯父「ほら!やめやめ!そろそろ帰るぞ」
ギャハハ ハーイ キャッキャッ......
「......クソが。やっと帰りやがった」
ふっ、と一息。ドキドキと高鳴っている胸が収まるのを待つ。
「......ざまぁねぇな......」
見慣れたカレンダーはゴミ箱に捨てられ、壁には真新しい日めくりカレンダー。1月1日。
来る新年。本来素晴らしきはずのこの日に、部屋の中で親戚のクソガキの声にビクビクと怯えている俺は、きっとこの世界のヒエラルキーのかなり下にいることだろう。
いつからか、朝が嫌いになっていた。
夜更かしをしたいから?......違う。
朝を起きるのが辛い?......それはまああるけど違う。
次の一日が、俺という人間が一日年を取って行くのが怖かった。
そこそこの大学を卒業したが選り好みをしすぎて就職が決まらず、気がつくとこんな断崖絶壁に立っていた。
「......ざけんな。くそ。......ざけんなよ」
悪態をついて寝転がる。
まだ夕方の6時だが、いい。このまま眠っちまおう。
どうせ明日の昼にはバイト先だ。
いつもより早く起きて、部屋の掃除でもすりゃいい。
瞼を閉じる。
このまま朝が来なきゃ良いのに。