俺が中2の時にひぐらしにハマって書いた痛い小説読みたい? #9

9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/11/30(月) 23:43:02.24 ID:CiC45d3A

 帰宅すると、大きな箱が二つ置いてあった。
 ずしん。これはたぶん布団かな。
 やっと布団のうえで寝ることができる。
 今一度布団の大切さを考えさせられた。
 夜食のカップラーメンをほおばる。
 全国共通の味という安定さが僕の心を落ち着かせた。

「ピンポーン」。不安定さ抜群のベルが鳴る。
 新聞ならお断りだ。
 僕は麺をすする手を止め、最後の砦、ふとんにもぐり込んだ。
 しかし、不安定な音はとめどなく鳴り続ける。
 新聞勧誘ならここまではしない。
 ならば、犯罪者か…!
 と思った矢先、ドアを開ける音が!
 しまった!カギを掛け忘れたか!
 ゲームオーバー!僕の冒険はここで終わってしまった!
 んなわけないない!
 僕はフライパンを手にとった。
 敵まで後数メートル、まだ姿は見えてこない。
 気配が動いたら、敵の頭を打つ!打つ!打つ!
 シミュレーションを繰り返した。
 よし、できる!

 敵の正体は和美ちゃんだった。
 作り置きの夕飯の皿を置いているところだった。
 そんな彼女の前に発狂して飛んでくる僕。
 端から見れば非常に滑稽かつカオスな場面だが、
 当の本人から見ればまったくもって恐怖の瞬間である。
 彼女はそそくさと皿を置き、挨拶もなしに帰ってしまった。
 美味しそうな焼き魚がこの場面の悲壮さを増長させる。
 僕は何も言えず、凶器のフライパンを持ったまま立ち尽くしてしまった。

  昨日は和美ちゃんに何て弁明しようかと頭をめぐらせていて、眠ることができなかった。
 ボーッとしつつ学校までの道を辿る。
 道を楽に覚えられる才能は両親に感謝しないといけないな。
 1-1のドアを開く。変わらない。掟通り、か。
 先日と同じように、て、あれ、和美ちゃんはいない。
 どうしたことか。
「先生、森さんがいません」
 先生は何事かと考え、思い出したように言った。
「ああ、そうだ。森さん今年のササゲミだったね」
  ササゲミ?初めて聞いた言葉だ。
 しかし、危なそうな事だけは分かる。

「ササゲミって、何ですか?」
「ああ、ササゲミっていうのは、古代からここに伝わるならわしでな、おっと授業開始だ。放課後に職員室に来てくれ。続きを教えてあげよう」
 いいところで切られてしまった。
 授業という名の自習時間をこの「ササゲミ」について考えていた。

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