僕は夢を見た。
星や、月、人までもが自分の心臓に吸収される夢。
自分はいい気になっていた、そんな気がする。
野鳥の声が大きすぎて飛び起きてしまった。体が少しこわばっている。
とりあえず、昨日コンビニで買っておいたカレーパンを一口ほおばる。
カレーのスパイスが口内に広がり、
じゃがいも、にんじんがところ狭しと口の中に入ってくる。
おいひい。カレーパンは人類の味方だ。
一息ついて、僕は身なりを整える事にした。
リビングにはもちろん何もない。がらんどうだ。
布団やらは数日後に届くと言っていたため、
今日もまたゴザ寝になるかと思うと気が重くなる。
ベルが鳴った。
扉を開けたら、そこには和美ちゃんが立っていたのだ!
「な、何故僕の家を」
「家の場所とかも知れ渡っているわ」
「そして、何故ここに?」
「決まってるじゃない、今日学校よ」
頭の中のカレンダーは見事に月曜を指していた。
初日からか…
僕達は学校に向かって走っていた。
走っても歩いても遅刻は遅刻なのだが…
じゃり道が僕らのスピードの邪魔をする。
そうして目の前に古い学校が現れた。
「ここがまだ坂木村だった頃、そのときの村長さんが教育熱心な方で、人口もそんなにいなかったのに学校を作ったのよ。
今では市の文化財に登録されてるわ」
そして、和美ちゃんは扉を開けた。
「ようこそ、われわれの『大本営』へ」
こうして、僕は足を踏み入れたのである。