旧爆区域、監視のプレハブ小屋に男が二人いた。
一人は痩せて、もう一人は太っている、なかなか対照的な姿の2人だった。
「こんな良いバイトあるか?泊まり込みで
誰も人が来ない所で人がいるかどうか確認するだけの作業で、
めちゃくそ給料がもらえるんだぜ?」
ふとっちょが鼻歌交じりに話かけた。
「でも暇ですよね。なんにもないですよ。通信機能もつかえないし圏外だし」
痩せた男が、小屋に設置してある安物ベットでごろんと横になる。
「そういえばみました?生体反応がここんところ数日前からあるんですよ」
「おかしいな。迷い猫かな」
怪訝そうな顔をする。外は猫の子一匹通さない厳重な警備なはずなのに、おかしい・・。
「とりあえず数日経っても生体反応があったら上に連絡だけしておこう」
広域サーモグラフィを起動しつづけて15日目。本来は電力上いけないらしいが、事が事だ。
「生体反応あり、まだ生きているようだ。しかし初期発見時からなにも移動していない、と」
業務メモにまとめておいておく。上が来た際にこれを提出しておけばいいだろう。
「上はいつ来るんですかね。もう来てもおかしくないのに」
人がいるかどうか捜索をしてきて疲れているらしい。痩せた男は体についた砂を取り除く。
顔を見ればめぼしいものがないのが分かった。
あいつはすぐに表情に出るから分かりやすい。
「ああ、そうだな」