俺が中2の時にひぐらしにハマって書いた痛い小説読みたい? #24

24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/12/01(火) 00:09:59.48 ID:m5pcPhV9

 家からじゃり道で30分。ちょっとこんもりしている山の頂上だという。「ちょっと」が気になる。

 やっぱり思ったとおりだった。都会っ子は軟弱だと言われるのはしょうがないのかな。
 頂上にたどり着くと大きな木が目の前に現れた。
 今まで見たことがないほどの威圧感。
 神社などのスピリチュアルにまったくうとい僕だけど、この場所は神聖な場所なんだなということを
 すぐに悟った。ただ木が一本立っているだけなのに。

「ああ、お城ちゃんがササゲミの役か。頑張りぃ」
「ありがとうございます」
 年老いた男性が和美ちゃんと談笑している。
 ・・・そういえば、消えた先生が「ササゲミ」について知っていたけど、何だったんだろう。

 おずおずと聞いてみる
「あの、ササゲミって、何なのですか?」
「えーっとな、話すと長くなるが、」
「私から説明するわ。昔、遥か彼方から人々がここに来たっていう伝説があったのよ。
 そこの人々が昔からここにいた人に様々な技術を教えて、今に至るらしいっていう話なの」

「あれ、でも、その技術が発揮されているようには見えないんだけど」
「その技術は主に豪族の人たちに教えられたんだけど、
 そのあと戦乱があってその技術も忘れ去られたんだってさ」和美ちゃんは残念そうな顔をした。
「もったいないなぁ。なにか書き残しておいたらいいのに」
「んで、その人々を奉るために、この木を祀っているんだって」
 木に目をやる。
「それでその催し物が、」
「今日ってわけ」

 さっきの男性がリアカーに色々と入れている。
「さあ、組み立てるぞ!」

 大木の前に木の机があり、その木の机から赤いカーペットが一直線に敷かれている。
 その両脇には円柱の木の棒が50本づつ並べてたってある。
 円柱をたてるのが僕達の仕事だ。
 日本の祭りとは思えないようなものがたくさん目に入る。
「これでよし、と」
 満足そうな顔で和美ちゃんが見上げた。
 もう夕方だ。山からの眺めも素敵。
 人々の熱気と喧騒が下から聞こえる。もうすぐ祭りの始まりだ。

 僕は屋台で勝ったりんご飴をぺろぺろなめつつ、和美ちゃんの用意してくれたござに座っていた。
 この場所は和美ちゃんが好きな場所で、いつもお祭りの時にはここでござを広げて見ているそうだ。
 お父さん、お母さんもカメラと三脚を担いで来た。
「これで和美も一段と大人に近づいていくんだなぁ」
 お父さんがしみじみとした顔で語っていた。そうして祭りは始まった。

 下ノ瀬地区の催し物の子供の踊りで祭りは幕を上げた。
 その後は婦人会の踊りなどなど、普通のお祭りが続いた。
 僕はりんご飴の2つ目の袋を開けようとした。するとスポットライトが消えドン、ドン、と太鼓のなる音がし始めた。
 オオトリの始まりだ。

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