サクサクと読み進めていくと、ついに後の恋人であろう男が登場する。
......
その日は、久々の雨で、私はウキウキしてた。でも、ちょっと降りすぎたわ。まるで今までの分も全部吐き出すみたいに。だからあんな奴と出会っちゃったのよ。
「やあ、タオルをありがとう。助かったよ。しかし、埃っぽいお店だね」
ずぶ濡れた猫みたいに震えてたからしょうがなく入れてあげてタオルまで貸したのに、失礼なやつったらありゃしなかったわ。
ちょっと鼻と背が高くて、それなりの見た目ではあったけど。最初はこんなやつもう絶対に関わりたくない。そう思ったわ。
......
娘「......ふふ、不器用だなぁ」クスッ
少女は、本の世界の女の子の可愛らしさに微笑んだ。
娘「......さあて、女の子とずぶ濡れ君はどうなるのかな......」
ワクワクしながら次へ次へとページを捲っていく。
途中、様々な場面や景色が少女の眼前に現れ、よりいっそう彼女を没頭させた。