ナース「......食欲なかった?」
回収時、看護師はまた心配そうな顔をした。
娘「うん......ちょっと......」
ナース「......もう、二度寝なんてするから。ちゃんと食べないと元気になれないわよ?」
娘「......はい。ごめんなさい」
ナース「......もう。......あ、そういえば、昨日貸した本はもう読んだ?」
娘「はい。えっと......グルメ小説の方を読みました」
ナース「あら、意外だわ。娘ちゃんくらいの歳なら、迷わず恋愛小説の方を読むと思ってたのに」
娘「あはは......私、恋愛小説って読んだこと無くて......」
少女は少し照れ臭そうにそう返す。
ナース「そうなんだ。......私が娘ちゃんくらいの時はそう言うのすっごく好きだったのに」
そう言って、看護師はナイトテーブルの上に置いてあった、自分が昨日少女に貸した恋愛小説を手に取る。