娘 「......」 シーン
娘「......みんないっちゃった」
娘「......」
一人では広すぎる病室に、静寂がこだまする。
窓の外は、もう日が沈み始めていた。
夕暮れと、風に揺れる木々。
途端に、先程までのあの深く先の見えない不安が少女を包み込む。
娘「......私、本当に病気なんだ」
空っぽの天井にそう呟く。
今まで大きな障害なく過ごして来た少女にとって、突然の入院は華奢な心を揺さぶるには十分すぎた。
娘「......嫌だ。死にたくないよ......まだ美味しいものだって沢山食べたいし、色んなとこに遊びにいきたい。......素敵な人と恋だってしたいのに......」
そんな気持ちが溢れて、涙も溢れてきた。
病室の明かりがもやもやとボヤける。
次から次へと襲いかかってくる不安に、少女は翻弄されていた。