アスタルト「何も殺すことなかったんじゃないの。兄弟なんだし」
バアル「いや、でもなんか怖いじゃん」
アナト「でもこれでお兄様が王ですよ!やったね!」
アスタルト「あ、そうか、わーい! じゃあその死体バラバラにして海に流しちゃえ。復活したら怖いから」
バアル「えーっ、復活するの?」
さて王になったバアルですけれども、あれだけバアル擁立に乗り気だった神々はなぜだか言うことを聞きません
そもそも神々はヤムが嫌だったから代わりにバアルを押し上げただけでした
それにバアルにはヤムやその兄弟のような、つまり天の神々が持つべき素晴らしい宮殿がないのです
ですから屋敷を作るためにアシェラトに許可を取りに行く必要がありました
アシェラト「おお!我が愛しの息子ちゃんよー!」ぎゅー
バアル「く、くるし」
アナト「お母様! バアルに屋敷を作る許可をください! ハダドには兄弟たちのような家がないのです」
アシェラト「あーそんなのコシャルに頼めばいいじゃない。あっ、でもヤムちゃんの対策しないとね」
バアル「やっぱり復活するんだ……」
カナン人の世界観に永遠の生は存在しませんが、同じように永遠の死も存在しないのです
ましてや世界各地でしつこく再生する蛇神の部類です 生き返らないはずがありません