さて決闘するとは言ったもののハダドには武器がありません
そこで南の方角から来る神々の武器職人のコシャル=ハシスに武器を作ってもらうことにします
バアル=ハダドやヤム=ナハル、コシャル=ハシスなど、ウガリットの神々は二つ名や別名というより
言われている両方が主な名前となっています 神話が対句法で歌われるため、他の神話よりも強調することが多かった
からでしょうか
コシャル「ハダドは嵐の神である。すなわちバアルは雨の神である」
ハシス「ならばバアルの武器は撃退する稲妻であり、ハダドの武器は追放する雷鎚である」
こうして撃退するヤグルシュと反発するアイムル、二本の雷鎚が彼に与えられました
トールがミョルニル一本、インドラがヴァジュラ一本、ゼウスがケラウノス一本だと考えると一本お得なのです
一方ヤムの剣もコシャル=ハシスが作ったもので確かに強いですが、ヤムの圧政中に作られたものだったので
コシャルがどんな武器にも手を抜かない達人だったとしても素材自体が粗悪だったりと工房の調子が悪かったりして
色々な事情が重なって新しい武器には叶わないことでしょう
ヤム「バアルはナハルにひれ伏すがいい!」
バアル「ハダドはヤムを撃退する」
ヤムはヤグルシュを叩き落とそうとしますがヤグルシュは相手に向かって飛んで行くので効果がありません
叶わないと悟ったかあえなく竜は逃走しようとしますが、その隙を狙ってヤグルシュが背中に直撃していきます
ハダド「バアルはリタンを追放する」
二本目の雷鎚がヤムの頭目掛けて飛んでいき、ナハルの眉間を打ち抜きました
ナハル「ハダドこそがヤムの王である!!」
その場に倒れ断末魔としてそう負けを認めたリタン。こうしてバアルが戦いに勝利したのです。