お前らギリシャ神話とかメジャーな神話スレしか建てないから #2

2死姉ちゃん◆8cnVV40lbc:2015/10/24(土) 22:14:28.81 ID:ihmsDW2U

遠い遠い昔の話 まだキリスト教もなかった頃のカナンのお話
まだイスラエルにユダヤ教もなくて、もちろんエジプトでアマルナ革命が起きるより前のカナンのお話

天地を想像したであろうその夫妻と70人の子供達はそびえ立つサフォンの山々の上で暮らしていました
偉大なる創造主である天の父神エールと、すべての生命と神聖を司る地の母神アシェラト

二人は地上に光を生み出そうと思いました。そうして最初の子供、太陽の女神シャプシュが生まれました
光が溢れだした地上ですが、まだ生物が暮らすにしては熱く乾いていたのです
それもそのはず、太陽の神が生まれるということは同時に乾季の神も産まれてしまうということなのです
こうして産まれた第一の王子、炎と乾季の死神モートは地上を焼きつくしてしまいます
これでは生命が繁栄するのは難しい。アシェラトは全ての生命の母でもあるので放っておくことができないのです
そこでアシェラトは大地の渇きを潤すべく、地上に広大な海を作ることにしました
そうして二番目の子供達、アスタルトとヤム(またの名をナハル)が生まれました
アスタルトは太陽のそばに輝く金星で、海を行く者達の目印になります
そして龍神ナハルは水流その物ですので、乾季である兄モートを地の縁へと追いやってしまいます
ついに地上に生命が満ち溢れる時代がやってきたのです
ですけどモートを追いやった第二の王子ヤムは敵がいなくなったので、自分こそが王にふさわしいと増長し始めます
大津波を起こして地上の生命を呑み込み、人間たちに供物や生贄を用意させるようになったナハル
これでは地上はすぐに沈んでしまいます。こうなったらモートの二の舞いです
そこでアシェラトは雨雲を操り雷と風で波を沈める大気と嵐を作ろうとします
だけども偉大なる創造主エールは実のところこれ以上自分の支配する領域を取られたくないので
第三の王子、嵐と雷を司る豊穣神ハダドを産まれた直後に捕まえてしまおうと考えます
アシェラトはエールの思惑を阻止するべく愛おしい息子を天高きサフォンの宮殿の窓から投げ捨ててしまいます

こうして落ちていった赤ん坊のハダドは地上に住む国津神ダゴンの領地に落ちていきました
その姿は人々にとって最初の雷だと言われてます

さて地上のエールとして名高い魚神ダゴンに拾われ育てられたハダド、彼は凛々しく成長していき
いつしかこう言われるようになりました バアル・ハダド(主なるハダド) バアル・ゼブル(王なるバアル)と……

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