モート「どうしたバアル、入ってこないのか」
バアル「おぉ!我が兄モートよ、どうか許していただけないものだろうか」
モート「許す? 私が許すべきことなど何もない。私とお前があったのはここが始めてだろう?」
バアル「私は敬愛なる兄モートに贈物を用意する手はずを整えている!」
モート「ここまで呼びつけておいて食事の一つも出さないのは面目ない。むしろ私、モートが贈り物をするべきだろう」
バアル「……わかった」
モート「そうだ、それでいい我が弟よ。そして貴様に死の贈物をしてやろう。その返しとして貴様は臓物を贈物にすればいいのだ」
死そのものであるモートの屋敷は冥界そのものである。あぁ、バアルは今まさにモートの胃を下っているのだ。
豊穣神が死に、乾季が王となったため、地上の生命は衰退していきます
人間たちは死を恐れる余り死そのものであるモートを信仰することによって死から逃れようとします
こうして乾季の時代が訪れたのです