男の処刑の日、偶然にも巫女が視察に訪れていました。
巫女は男を見るや、駆け出し近付いていきました。
巫女「不愉快な面じゃ」
巫女「見れば見るほど腹立たしい。私がこの手で引導を渡してくれる!」
巫女が短剣を振り上げると、男の懐に仕舞ってあった折り紙が、巫女目掛けて飛び出していきました。
巫女「何をする!やめろ!」
折り紙は巫女の顔の周りを激しく飛び回り、度々突いていきます。
すると、巫女の姿が次第に解け、なんと、人の丈と変わらぬ大きさの美しい黒色の毛並みで尾が二本ある化け狐が姿を現しました。
妖狐「変化の術を破るとは、なんと忌々しい」
妖狐「この国に憑くのも、ここまでか」
突然の出来事に混乱する中、化け狐は素早く逃げていきました。
男は、巫女の正体を暴いた功績により赦免され、村に帰されました。