参謀は、化け狐を退治したと国王に報告しました。報告の中に男の名はありませんでした。
化け狐の尾は、王国の宝物庫に納められました。
男の折り紙は、他の身寄りのない戦死者と同じように無縁仏として共同墓地に納められました。
程なくして、隣国との戦況を打破する為、参謀が宝物庫へ化け狐の尾を取りに行きましたが、始めから存在しなかったかのように、尾は跡形も無く消えていました。
結局、王国は隣国に攻め入られ、王家は滅んでしまいました。
その頃、谷川の下流に近い辺境の国に、式神を使役する旅の男が現れたそうですが、彼が狐と共に落ちた男かどうかは、伝わっておりません。
おわり