妖狐「くぅん」男「…」 #1

1◆SqS1EkGSG2:2015/05/22(金) 21:28:15.51 ID:a+PCLts7

ある王国の村の外れに、百姓の男と美しい毛並みの白銀の狐が住んでおりました。

男「松の辻の婆さんから、鶏の卵を別けてもらったよ。食べな」

狐「はぐはぐ」

男「初めて出会ったときは、だいぶん弱っていたが、すっかり元気になってよかった」

男「お前が、ここに住み着いてくれたおかげで、辺りの田畑でネズミやスズメの害が減って助かっているよ」

男「ありがとうな、狐」

狐「…」

男「だが、ネズミが減ったおかげで、お前の食い扶持も減ったんじゃないか?」

男「まあ、多くはないが、出来るだけ飯を別けてやるから、勘弁しておくれ」

狐「くぅん」

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