― 魔王城,首都
魔王「此度の働き、心より感謝する」
男「依頼をこなしただけだ」
魔王「それでもだ。本当にありがとう」
魔王「それで報酬なのだが。私を娶ってはくれまいか」
男「!?」
側近「!?」
大臣「!?」
メイド「!?」
魔王「それなりの持参金も用意できるし不自由にはさせん。それに」
魔王「魔族と人間とが和解するのも、私と男が結婚するのが一番早く解決すると思うのだ」
魔王「メイドさんのお母様も素敵な方だった。私もあの方やメイドさんのような子を」
大臣「魔王様!?」
男「待ってくれ」
魔王「なんだ?第2夫人でも構わないぞ?…もしや…もう第4夫人まで」
男「そうじゃない。俺では国民は納得しないだろ。確かに傭兵としては役に立ったが所詮ただの兵だ」
魔王「それで十分だと思うが…そうか…名案だと思ったのだが」
大臣「そ、そそそうです!一介の人間では民は納得しません!ご再考を!」
魔王「なるほど。では男よ、人間の王となれ。王ならば文句も出まい」
魔王「賠償に託けて西国辺り切り取ってしまえばよかろう」
魔王「そもそも西国の男神教が排他で――」