安価でSS書く ID:ctnrleu7

1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/03/18(水) 00:21:13.74 ID:ctnrleu7

寝るまでな
>>3
>>4
>>5

7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/03/18(水) 01:00:52.07 ID:ctnrleu7

プロデューサー「んじゃ、そういうことでよろしく頼むわ」

おっさん「いや無理ですって……。俺デュエル……なんとかって知らないっすもん」

プロデューサー「てめーよぉ……。今な、全国のガキのハートはこの薄っぺらいカードが鷲掴みにしてんの」

プロデューサー「これに便乗しないでどうするよアホたれ。言われたら黙ってYESだろハゲ」

おっさん「……YES」

プロデューサー「それでいいんだよ。てめぇはスタントマンなんだから。それっぽい動きしてりゃ金も動くんだよ。いいな?」

おっさん「……」

ーーーーーーーーーー

ガキ「今日からだっけ、仮面ライダー上武(じょうぶ)。」

テレビポチ

上武「クッ……こんなところで負けるわけには……」

れぐ太「諦めちゃ駄目だっ!フィールドを展開するんだ!」

上武「そうだな……。フィールド展開ッ!」

テッテレッテー♪

行死朗「なっ……!?そういうことか、俺とデュエルで勝負する気だな?」

上武「来い!俺のドラゴンデッキッ!」

キュイイインッ

行死朗「ククク……。俺の闇には誰も敵わない……!」

上武「マナチャージ!『ブレイズクロー』を召喚ッ!」

行死朗「厄介だな……。だがッ!マナチャージ!『ねじれる者ボーンスライム』召喚……!」

上武「なにっ……」

行死朗「ククク……お前の思う通りにいくと思うなよ……?」

ーーーーーーーーーー

上武「ハァハァ……」

上武(俺の残りシールドは一枚……。次のドローが最後の賭けになる……)

行死朗「どぅぅしたぁ?もう負けを認めるなら命までは……」

上武「来い……!俺の切り札ァァァア!!」

『無双竜機ボルバルザーク』

上武「!!」

上武「……」

行死朗「ククク……さぁはやく、ギブアップと言えぇ」

上武「悪いな……」

行死朗「……?」

上武「この勝負、俺の勝ちだ!!」

『ボルバルザークを召喚ッ!』

行死朗「なに!?」

上武「うおおおおおおお!!!」

行死朗「そんな、まさか……俺が……!?」

上武「俺の勝ちだあああああああ!!」

ーーーーーーーーーー

ポテチボリボリ

ガキ「……ご都合展開。おもんないなぁ」

12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/03/18(水) 01:34:21.83 ID:ctnrleu7

おっさん「……これ本当に面白いですかね」

プロデューサー「当たり前だろーが。今ごろタカラトミーは社員全員でハワイにでも行ってんじゃねーの」

おっさん「そんな売れてるんですか……」

プロデューサー「さぁな。カードもおもちゃもこれからだろうな。まぁ、まだまだ始まったばかりだし、よろしく頼むわ」

おっさん「はぁ……」

ーーーーーーーーーー

おっさん「ただいま……」

ドアバタン

おっさん「……」

おっさん「ただいま、ジン子」

ジン子「おかえりなさい」

俺の唯一の家族
羊のジン子

おっさん「……俺さ、今の仕事さ、辞めようかなって思ってる」

ジン子「……どうして?」

おっさん「いや、合わないかもなぁって。ほら、俺は正義の味方に憧れてこの仕事選んだんだけどさ」

ジン子「……」

おっさん「本当は『中の人』じゃなく、表で光を浴びたいなーって。子供たちが本当になりたいのは、中の汚いおっさんじゃなくて、格好いいイケメンの仮面ライダーなのかなーって」

おっさん「当然、俺はイケメンじゃない。でもこのまま縁の下の力持ち的なポジションじゃ……」

ジン子「あなたが子供の頃なりたかったのは、『正義の味方』よね?」

おっさん「……」コクッ

ジン子「正義の味方は、『輝いてる俺を見てくれ!』なんて、一言も言わないはずよ」

おっさん「……」

ジン子「真逆。地道に悪者を倒して、苦難を乗り越える姿が、子供たちに勇気を与えるの」

おっさん「……」

ジン子「その正義の味方の本当の姿がこんなに汚いおっさんだとしても、子供たちは真似をするわ」

ジン子「だって正義の味方に、イケメンも不細工も関係ないもの。中の人だろうが表の人だろうが、子供たちは『正義の味方』になりたいの」

おっさん「ジン子……」

ジン子「ね?だから元気を出して……」

おっさん「……ありがとうグスッ」

ジン子「いいえ……あなたが買ってくる餌がなければ、私は生きていけないもの……」

おっさん「……でもまだ元気が足りない希ガス」

バサッ

ジン子「えっ、ちょっ、ちょっと……」

おっさん「なぁ、ええやろ?その羽毛でシコシコさせてくれや」

ジン子「そっそんな……」

おっさん「ウヘヘヘヘヘ!ほら、おじさんのジンギスカンこんななってもうてるやんけ……」

ジン子「もう……優しくしてよね///」

ムギュウ……

おっさん「アァァ……埋もれるぅぅ……優しく包まれるぅ……」

ジン子「あっ……だめ感じちゃう……!毛の一本一本の神経がジンギスカンに浸食されちゃう……!」

おっさん「ほぅらほぅらぁ……」ムギュッムギュッ

ジン子「あっああぁ……だめぇ!摩擦ッ!摩擦でダメージ加工されちゃうのぉおおおおお!!!」

おっさん「グッ……で、でる……!」ドピユッ

ジン子「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

おっさん「ふぅ……」

ジン子「……はぁはぁ」

おっさん「……ジン子ありがとう」

ジン子「……私も……幸せよ。ありがとう……」

14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/03/18(水) 02:01:48.99 ID:ctnrleu7

ー次の日

おっさん「それじゃ、行ってきます」

ジン子「行ってらっしゃい」

ドアバタン

おっさん(昨日ジン子が言ってくれた……)

おっさん(……もう少し頑張ってみるか)

ーーーーーーーーーー

ガキ「なぁ、見たかァー?『仮面ライダー上武』」

鼻たれ「あぁ見た見た。正直やめてくれーって感じ。俺らのデュエマをあんな幼稚なガキの見る特撮と一緒にすんなーって感じ」

坊主「だよなー。くっそ面白くねぇわ。ボルバルザークあんな軽々しく使うんじゃねーよ腐れライダー」

ガキ「んでな、ちょっと耳よりな情報があるわけよ」

鼻たれ「なになに?」

ガキ「これから行く場所に、『仮面ライダー上武』の関係者が住んでるらしい」

坊主「まじでぇ!?」

ガキ「おうよ。俺らなりのデモをしようと思う。子供の感性がわからねー大人に一泡吹かせてやんのよ!」

鼻たれ「おっけえええ!!早速行こうぜぇえ!」

ーーーーーーーーーー

ガキ「ここか……」

鼻たれ「普通の家だな……」

坊主「んで?何するよ」

ガキ「うーん……めんどくせぇ。窓でも割ってやろうぜ」

鼻たれ「それはさすがに……」

ガキ「あ?てめーびびってんのか?」

坊主「俺らのデュエマがこんままでもいいってのかよ!?」

鼻たれ「……いや」

ガキ「よし決まりな。おーらよっと」

ガシャンッ

坊主「うへへへへ。俺も俺もー」

バリバリ

鼻たれ「……」

ガキ「ほらてめーもやれよ……」

鼻たれ「お、おう……」

「何やってんだクソガキどもコラ!」

坊主「や、やべぇやべぇ!」

ガキ「逃げるぞ……!」

鼻たれ「……」

スタスタスタスタスタ

ーーーーーーーーーー

仕事が終わり帰ってくると
家の前にパトカーが止まっていた
庭を見ると、ガラスの破片

おっさん「……どういうことだ」

警察「あ、この家の方ですか?」

おっさん「ええ……。もしかして空き巣にでも……」

警察「いえそういう訳では。近所の人によると、子供のいたずらで窓を割られたそうで……」

おっさん「えー……」

警察「お気持ちはお察ししますが、問題なのはこの後でして。あなた家の中で羊を飼っていますよね?」

おっさん「まぁ……」

警察「行政府に許可はお取りになっていませんね?」

おっさん「……」

警察「基本的に個人で羊を飼われる方というのはいません。家畜として飼うのが一般的で……」

警察「もし、こういった騒ぎになって脱走でもした場合、そして近所の方を襲ってしまった場合……責任は全てあなた、ということになってしまいます」

おっさん「……でも別に違法とかじゃ」

警察「率直に言うと近所の方はあなたを不審がっています。羊は然るべき場所に預けるのが筋かと」

おっさん「……」

警察「それでは……」

ーーーーーーーーーー

ジン子「……」

おっさん「……ごめんな」

ジン子「……なんであなたが謝るの?」

おっさん「いや……」

ジン子「……」

おっさん「お前を手離さなきゃいけなくなった」

ジン子「……」

おっさん「……ごめん」

ジン子「……まぁ、私も長生きしたし。楽しかったわ」

おっさん「どこかの農家にでも……」

ジン子「いいえ。これから先は自分で選びたい」

おっさん「……」

ジン子「……今までありがとう」

15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/03/18(水) 02:12:38.28 ID:ctnrleu7

ジン子がいなくなって数週間
あんな事件がありながらも、『仮面ライダー上武』の売り上げは凄まじかった
タカラトミーだけじゃなく、我々出演者も含めてハワイに行った


プロデューサー「いやーお疲れさん。これで、『仮面ライダー上武』撮影全てが終わったね」

おっさん「……ええ」

プロデューサー「まぁね、なんか事件があったみたいだけれども。最重要の売り上げも好調好調絶好調だよ!」

おっさん「……」

プロデューサー「どうしたの。嬉しくないの?」

おっさん「いえ……」

プロデューサー「お金が回るまではもう少し時間がかかるがね。まぁどうだ、これから出演者とスタッフで飲み会行くんだけど、来るよね?」

おっさん「……」

プロデューサー「来るよね?」

おっさん「……YES」

プロデューサー「よし、じゃあ早速行こう。店はもう取ってあるから」

ーーーーーーーーーー

『飲み屋:ジンギス勘太郎』

プロデューサー「この店の肉最高にうまいのよ。羊の肉、何て言うか知ってる?」

おっさん「……ジンギスカン」

プロデューサー「そうそうジンギスカン。いやー酒も進む進む」

おっさん「……」


この後俺は、仕事を辞めた


おわり


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