安価でSS書く #12

12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/03/18(水) 01:34:21.83 ID:ctnrleu7

おっさん「……これ本当に面白いですかね」

プロデューサー「当たり前だろーが。今ごろタカラトミーは社員全員でハワイにでも行ってんじゃねーの」

おっさん「そんな売れてるんですか……」

プロデューサー「さぁな。カードもおもちゃもこれからだろうな。まぁ、まだまだ始まったばかりだし、よろしく頼むわ」

おっさん「はぁ……」

ーーーーーーーーーー

おっさん「ただいま……」

ドアバタン

おっさん「……」

おっさん「ただいま、ジン子」

ジン子「おかえりなさい」

俺の唯一の家族
羊のジン子

おっさん「……俺さ、今の仕事さ、辞めようかなって思ってる」

ジン子「……どうして?」

おっさん「いや、合わないかもなぁって。ほら、俺は正義の味方に憧れてこの仕事選んだんだけどさ」

ジン子「……」

おっさん「本当は『中の人』じゃなく、表で光を浴びたいなーって。子供たちが本当になりたいのは、中の汚いおっさんじゃなくて、格好いいイケメンの仮面ライダーなのかなーって」

おっさん「当然、俺はイケメンじゃない。でもこのまま縁の下の力持ち的なポジションじゃ……」

ジン子「あなたが子供の頃なりたかったのは、『正義の味方』よね?」

おっさん「……」コクッ

ジン子「正義の味方は、『輝いてる俺を見てくれ!』なんて、一言も言わないはずよ」

おっさん「……」

ジン子「真逆。地道に悪者を倒して、苦難を乗り越える姿が、子供たちに勇気を与えるの」

おっさん「……」

ジン子「その正義の味方の本当の姿がこんなに汚いおっさんだとしても、子供たちは真似をするわ」

ジン子「だって正義の味方に、イケメンも不細工も関係ないもの。中の人だろうが表の人だろうが、子供たちは『正義の味方』になりたいの」

おっさん「ジン子……」

ジン子「ね?だから元気を出して……」

おっさん「……ありがとうグスッ」

ジン子「いいえ……あなたが買ってくる餌がなければ、私は生きていけないもの……」

おっさん「……でもまだ元気が足りない希ガス」

バサッ

ジン子「えっ、ちょっ、ちょっと……」

おっさん「なぁ、ええやろ?その羽毛でシコシコさせてくれや」

ジン子「そっそんな……」

おっさん「ウヘヘヘヘヘ!ほら、おじさんのジンギスカンこんななってもうてるやんけ……」

ジン子「もう……優しくしてよね///」

ムギュウ……

おっさん「アァァ……埋もれるぅぅ……優しく包まれるぅ……」

ジン子「あっ……だめ感じちゃう……!毛の一本一本の神経がジンギスカンに浸食されちゃう……!」

おっさん「ほぅらほぅらぁ……」ムギュッムギュッ

ジン子「あっああぁ……だめぇ!摩擦ッ!摩擦でダメージ加工されちゃうのぉおおおおお!!!」

おっさん「グッ……で、でる……!」ドピユッ

ジン子「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

おっさん「ふぅ……」

ジン子「……はぁはぁ」

おっさん「……ジン子ありがとう」

ジン子「……私も……幸せよ。ありがとう……」

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