【お試し中】Cardwirth(カードワース) 【ソイヤッ！】 ID:OfUBc1sb

高レベルシナリオは少なく、リプレイにしやすい短編はもっと少ないですが、何とか探して紹介したい


前回のリプレイ（時の囚われ人）のログはこちら
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/55867/1429004702/

冒険するのは、いつものこいつら
http://wikiwiki.jp/vipwirthyado/?%B9%F5%C5%B4%A4%CE%C9%F7%BB%C2%A4%EA%B1%A9%BA%AC


前半の冒険はこちら、表の短編企画『一時間縛り～Only an Hour～』で作成されたシナリオですが
「ゲーム製作に使える時間は一時間」「素材集め、下書き、デバグに使う時間も含まれる」
「他作品のカードの引用は可」という、かなり厳しい縛りの中作成された物だったり
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アプリコット「……ワイトかな？」
セレナ「いえ、死霊術師かもしれませんよ？」
ヴィーヴィ「ちょっとこれどうするのよ、あからさまに怪しいんだけど」
アレクシオス「お前ら、依頼人に聞こえてるぞ？　まあ確かに怪しいのは確かだが、死霊の類なら
　　　　　　　　真昼に表には出てこれないし、騒ぎを起こした死霊術師の話も無い……はずだ」
ザイウス「指名手配なり賞金首になっている人物の逃亡幇助、という可能性もゼロではありませんが
　　　　　　そういう人物は、『どの方向に逃げた』という情報すらも残したくないのが心情でしょうし
　　　　　　護衛を雇って集団で移動すれば足は遅くなります、追手を警戒するなら単独行動のはずです」
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かくして一行は警戒しつつも、直接の悪事・犯罪に関わることでは無いようなので、仕事に移ることに

アレクシオス「ゴブリンか、今やこの程度の連中なら、片手間でも十分なんだが……傭兵だと？」
アプリコット「思いっ切り『背後に黒幕が居ます』って感じだよね、とりあえず前座は蹴散らしちゃうけど」
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アプリコット「ちょ、美濃牛っ！？」
セレナ「くっ！　やはり騙した冒険者の死体目当ての、死霊術師でしたか！？」
アレクシオス「いや、それにしては仕掛けがあまりに雑すぎる、腐っても何某かの術師なら
　　　　　　　　ここで配下のゾンビに囲ませるなり、実は自身の力を強化するフィールドへ誘導していたり
　　　　　　　　次善の策の一つは用意しておくはずだろ。ゴブリンでは、並の冒険者にも大した手傷を
　　　　　　　　負わせられないことくらい、分かっているんだからな……それに何より術師ならば」
ヴィーヴィ「ゴブリンの始末に、刃物を持ち出すのも『らしくない』わよね、こいつ何者！？」
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アレクシオス「数年前……と言うと俺たちはまだパーティも結成していないぞ、意趣返しなら人違いだろ！」
ザイウス「ああ、この様子だと『深手を負わせてくれた名うての冒険者には逆立ちしても勝てないから
　　　　　　同じ冒険者で弱そうなやつを襲って憂さ晴らししよう』と言う考えなんでしょう、恐らく」
アレクシオス「なんて傍迷惑な負け犬思考だ、もっとこう人目につかないところでサンドバッグにでも
　　　　　　　　件の名うての冒険者の顔写真を貼って、それを殴って悦に浸っててくれないか割と本気で」
アプリコット「ねぇ兄貴、竜人族って何？　リザードマンとは違うの？」
アレクシオス「ドラゴニュートとも呼ばれる獣人の一種らしい、先祖に竜の血が混じっているって説もあるが
　　　　　　　　……喜べアプリコット、もしそうならコレが先日言ってた『下の下のドラゴン』ってやつだ」
アプリコット「えーっ？　なんかちがーう、やだー！」
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美濃牛「ソウカ　デハ　オレモ　ソウスルト　シヨウ」
アレクシオス「使い捨てられたゴブリン共もバカだったかも知れんが、お前も割とバカな部類だな
　　　　　　　　捨て駒じゃなくあの数と一斉にかかって来れば、割りと手間取らされただろうに
　　　　　　　　どれだけ自分の強さに、自信があるのか自惚れてるのか知らないがな！」
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かくして会戦、しかしヴィーヴィが完全回避＋攻撃の『流転』を振ったり、アレクシオスが『偽りの鍵師』で
防御している所に攻撃してきたり。同じく『石動』の行動キャンセルや『閃電』の混乱効果などで
行動が妨害されたりしたため、割りとアッサリ倒せてしまった。CardWirthの戦闘は運も絡むのでこういう時もある
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美濃牛「チカラコソ　セイギ　イイコトバダ　ダガ　ソレヲ　クチニシテ　イイノハ　ジブンヨリ　ツヨイ　モノニ
　　　　　ヤブレ　『アク』ト　サレテモ　ウケイレル　カクゴノ　アルモノ　ダケダ　オマエノ　ヨウニ　ツゴウヨク
　　　　　チカラヲ　フルウ　イイワケニ　クチニスル　ハンパモノノ　ダンマツマ　ハ　ミジメナ　モノダナ」
アレクシオス「さすがリアル野生で生きて来たであろうミノタウロスは格が違った」
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セレナ「正義、正義とは何なのですかね……」
アレクシオス「まだ気にしてたのか、では俺がサクッと結論を付けてやろう。絶対的正義なんて存在しない
　　　　　　　　正義の基準や価値観なんて無数にあるし、どれもが何某かの一理を持っているものだ
　　　　　　　　だが一つの事柄に対し『相対的により正義らしい』行いは存在する、八つ当たりで返り討ちに会い
　　　　　　　　惨めったらしい断末魔とともにくたばった下の下のドラゴンと、ちゃんとその意味を知ってから
　　　　　　　　弱肉強食している美濃のようにな。そして『より正義らしい行い』を、追求すること自体が『正義』であり
　　　　　　　　『正義』を判断できる知性、実行する力を身につけることを『信仰』と言うんだろう？　お前の神は」
ザイウス「おお、さすが、言うものですねぇ」
アレクシオス「まあ正義の追求なんて、俺は適当な所で止めておくけどな……『より正義らしい』を突き詰めすぎると
　　　　　　　　結局自分を犠牲にせざるを得なくなる。悪いが佳人のためでもないのに、タダ働きは御免だね」
ヴィーヴィ「良いんじゃない？　正義のために不幸になれなんて、まず言い出しっぺが実行すべきことよ」
セレナ「自称悪党らしい物言いですね（苦笑）　でも、まず自分が不幸にならないことは、大切だと思いますよ……」
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という事で前半戦終了、後半へ続く！

お待たせしました、後半の開始です

後半のシナリオはこちら、内容としては『機械仕掛けの番犬』的な戦闘シナリオですが
同作者氏の公開している他シナリオの、前提シナリオという位置だったりもします
レベル帯的にもそれらのシナリオをやって行きたいと思っているので、ここで消化する事に
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アプリコット「実験のお手伝いって、薬草を採ってきたり、珍しい動物を捕まえてきたりとか？」
ザイウス「聞いた話ですが、作成したゴーレムの戦闘テストなんて依頼も、あったりするそうですよ」
アレクシオス「採集やチャンバラなら、まあ得意分野ではあるよな……行ってみるか？」
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という事で一行は北に半日ほどの、依頼主のいる研究所へと向かったのだった

ヴィーヴィ「……やけに森の奥にあるわね、資材搬入とか大変じゃないのかしら」
アレクシオス「こういう場所に研究所を構える理由となると、実験に失敗すると周囲に被害が出るとか
　　　　　　　　研究している内容が知れると五月蝿い連中がいるとか、ろくでもないパターンの
　　　　　　　　可能性が高いんだよな……まあ折角ここまで来たんだし、話くらいは聞いてみるが」
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アレクシオス「一つ、いい歳して歌って踊るな。二つ、謎メカのネジは全部しっかり締めろ
　　　　　　　　三つ、逃げ出した謎生物を捕獲して来るのは構わんが、出るものが出ないようだと
　　　　　　　　一番高いムクチャーは（値段釣り上げて）売り払うからな？　金額で誠意を見せろ、以上だ」
セレナ「このネタ、分かる人いるんですかね（笑）」
ヴィーヴィ「相変わらず、『がめつさ』の高い言動よね……」
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アレクシオス「遺伝子か、そう言えばスダンで仕事をした時（by 妖魔の血）に、そんな単語を聞いたな
　　　　　　　　確か生物の設計図って話だったが、それで戦闘ってえらくヤバそうな気配がするぞ」
ザイウス「遺伝子を弄って創りだした、新種のキメラの戦闘実験、みたいにストレートな話だと
　　　　　　聖北教会あたりが殴りこんできそうですねぇ……それに加えて、万が一脱走されようものなら
　　　　　　街中だと大惨事間違い無しです、人里離れた森の奥に研究所を構えるわけですねぇハッハッハ」
セレナ「あんまりにもあんまりな物が出てきたら、ダイレクトに細剣を投げますよ（目が笑ってない）」
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ちなみにこの報酬システムは割と罠で、『じゃあより高レベルで受ければ収入が増えるな』
とか考えたりすると私と同じ轍を踏んでしまいます。と言うのも高レベルになるほどレベルアップの間隔も
遅くなるので、そんなにお金に困ることは無くなって行くから。やはり銀貨が欲しいのは低レベルの頃
戦闘力の兼ね合いからも考えて、レベル５か７の技能枠が増える頃に合わせて挑むのが良いんじゃないかと
何よりこのシナリオは『攻略するまで何度でも挑戦可能』なので、一発突破に拘る必要も無いし
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アレクシオス「周囲に転がってる薬瓶は、劇物ばかりなのかよ……普段人が来ないからって
　　　　　　　　そんな危ない物放置してるんじゃない、せめて戸棚にでも入れとけっての」
アプリコット「研究は遺伝子がどうとか言ってたけど、この薬の数々とは関係無いのかな……？」
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もう特に聞けることも無いし、何時もの準備を済ませ、いざ決戦のバトルフィールドへ
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ここで一瞬姿を消すライン、クローンと入れ替わってたり、何某かの怪しい薬を
注入していたりするんじゃないかという、深読みをしたくなってしまうが……果たして？
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アレクシオス「お前が戦うのかよ！　遺伝子は何処に行った！？」
ザイウス「もしかしたら、彼女自身が遺伝子＝自身の設計図の書き換えによる、強化実験の被験体
　　　　　　なのかもしれませんが……一歩間違えなくても、危険極まりない実験を自分の身体で試すとは
　　　　　　学者の鏡とは言えるかも知れませんが、冒険者顔負けの怖いもの知らずですねぇ」
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ちょっと本気のラインはレベル１１とかなり強い、遺伝子改造で一夜にして全ての生物を超越した（ｒｙ
技能は一切持っておらずアイテムで戦う、こういうスタイルもボス戦としては悪くないと思ったり
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アイテムは常に手札にあるので使用確率を高くできるし、良くも悪くも混乱・恐慌の影響を受け辛い
そして使用回数で危険性も調整できる、例えばアイテム化した『眠りの雲（使用回数１回）』を持たせれば
高確率で眠りの雲を使ってくるが、それで嵌め殺しては来ない敵魔術師を作ることも出来るし
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アレクシオス「おい、火炎瓶一発でアプリコットが倒れたぞ！　マジで遺伝子は何処に行った！？」
ザイウス「回復させたいのは山々ですが、私が次のターゲットで思いっきり狙われてますねハッハッハ」
ヴィーヴィ「耐久力や回避力が異常に高かったり、デバフを弾いたりしないのは救いね、先は見えているわ」
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ヴィーヴィ「よし！　『石動』の行動キャンセル効果で、火炎瓶投げの阻止成功！　……とか言ってたら
　　　　　　　今度はあたし！？　この火炎瓶、メチャクチャ痛い……正直何度も受けてられないわ」
アレクシオス「『閃電』は決まったが、混乱させられなかったな。重傷までは追い込んだんだが
　　　　　　　　アイテムで回復されたら元の木阿弥だ、何とか後一押しを叩き込みたい」
アプリコット「任せて！　安心と信頼の双狼牙互換『群狼』を、意趣返しも兼ねて叩き込んであげる！」
ヴィーヴィ「先行できて、当たれば『石動』で行動キャンセルの目もあるわ、押し切れるのが最上だけど！」
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結果はさすが安心と信頼の双狼牙互換の威力、残り１メモリ弱を何とか削りきってくれました

アプリコット「……えーと、これ、正気なのかな？」
ヴィーヴィ「と言うか、割りと遠慮なく斬りつけたはずなんだけど、表皮と鎖骨だけで済んでるっていうのが
　　　　　　　驚きなんだけどね。本当に遺伝子操作による、自己強化済みなんじゃないかしら……？」
アレクシオス「自分の体の負傷を『損壊』なんて言ってる時点で、割りと精神もヤバいことに
　　　　　　　　なっている感はあるな……自分の命さえも研究の対象、ってところまで
　　　　　　　　行き着いてしまってるんじゃないのか？　あまり深入りしない方が良さそうな感じだ」
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色々と思うことはあるものの、実験の手伝いという依頼は終了、一行は報酬を受け取り宿に帰ったのだった
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しかしまだ終わりではないぞ、何度も依頼を受けられるという説明もあった通り、また行けるのだ
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アレクシオス「タチの良い仕事でないのは分かっているが、割の良い仕事なのは確かなんだよな
　　　　　　　　それに知らない所で妙な研究の結果、野垂れ死なれても、それはそれで後味が悪いし」
セレナ「それに少なくとも、前回の負傷がちゃんと治って死んでいないかの確認はしておくべきでしょうから」
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ザイウス「誰もいない……引っ越したんでしょうか、それとも何か事件に？」
アレクシオス「引っ越しなら家具くらい運び出すだろうし、事件なら室内がもっと荒れているはずだから
　　　　　　　　一番近いのは夜逃げだな。まあヤバい研究のようだったから、聖北あたりに目をつけられても
　　　　　　　　おかしくなかったし。裏社会の面倒な連中だとか、どこぞの権力者なりに、研究を狙われる可能性も
　　　　　　　　無くはなかったけどな……しかし依頼の張り紙を出しておいて、いなくなるとは穏やかじゃないな」
ヴィーヴィ「傷が治らなくて、野垂れ死んだわけじゃないらしい、ってのは唯一の救いかもね……」
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後日もう一度研究所まで来てみたが、今度は建物までもが跡形もなく消えており
あの日依頼を出し、研究所で会ったたはずの、彼女の存在すら定かではなくなっていた
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そして今度こそ済印、ライン研究所・完！
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この『ライン失踪』のクーポンが、同作者氏の別シナリオの前提条件となっていたりします
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という事で前回からの間も短かったので、サクッとリプレイの作れる短編戦闘シナリオの二本立てで
お送りしました。そんな感じで今回のリプレイはここまで、お付き合い頂き有難う御座いました！

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