ーー公園
おいたん「うへぇ~ただいまー」
ダンボール「……」
おいたん「ダンボール?どうした?」
ダンボール「ねぇ、今何時だと思ってるの?」
おいたん「……朝の4時だな」
ダンボール「わかってるんだ。わかってて私を床にして寝転がってるんだ!?」
おいたん「大声出すな……やかんが起きる」
やかん「……」グーグー
ダンボール「……」
おいたん「なぁ、悪かったよ。だからそんなに冷たくならないでくれ。寝にくい」
ダンボール「匂いがする……」
おいたん「なに?」
ダンボール「女の匂いがする!!まさか、まさか浮気したんじゃないんでしょうね!?」
おいたん「いや……浮気?」
ダンボール「わかってたの……!私はリサイクルし尽くされて、身も心も中古品……!こんな私じゃあなたに見合わないことくらい……」
おいたん「……」
ダンボール「そう、あなたは所詮人間の男……。最初から同じ身分なわけないことくらいわかってた……」
ダンボール「でもこんな私が夢を持っちゃいけない!?いつも冷たいみかんばかり入れられた私が、人の温もりを求めることはいけないことなの!?」
おいたん「お、おい、やめろって……」
ダンボール「出てって……!私の中から出てって……!!」
おいたん「……はぁ」
ダンボール「そう、これでいいのよ……。彼は人間。やかんは私が育てていくの……」
おいたん「……なんで家があるのにベンチで寝なきゃなんねーんだよ……」
雑草「どんまい」
おいたん「うるせー引っこ抜くぞ」