喜劇王6 #218

218名無しさん@Next2ch:2016/12/19(月) 01:30:08.96 ID:???

パがチャイムを押すとブがすぐに玄関を開ける。
「おっせーよ……来ないかと思った」
「いや、年末だし、道、混んでたから」
「ケーキは?」
「あっ。急に来たから、忘れた」
「じゃ、プレゼントも無いの?マジ?あーあー、1年ぶりに会ったのにこれかよ」
「……じゃ、一緒に買いに行く?」
「俺の誕生日なのに今から自分で買いに行けって?」
それを聞くと、玄関に立ったままだったパが、ドアを開けて外へ出ようとする。慌ててパの肩を引き寄せ、その動きを遮るブ。
「なに?どこいくの?」
「いや、おでがひとりで今、買いに行こうかと」
ブは引き寄せたパの肩を掴んだまま、
「……いらない」
「え?」
「今日は、お前が来たから、それでいいや」
「……でも」
ブは更にパの体を引き寄せ、肩を掴む手に力を込める。
「……そのかわりさー、来年の俺の誕生日にはきちんとケーキとプレゼント、忘れないで用意しろよ」
「……来年」
「あ、それよりあと3ヶ月でお前の誕生日か。じゃ、ケーキはそのとき食えばいいか」
「……」
「俺、この1年間頑張ったんだからな、な、聞いてんのか?……おい。全然褒めてくれやしない」
「……世間じゃ評判よかったって聞いたよ。色々」
「……お前に何か、感想とか……言われなきゃ、意味がないじゃん」
「……どこへ行くのもひとり、ひとり、ひとり。ふざけんなよ。1年間、俺をひとりで働かせやがって。……おい、来年のケーキ、忘れんなよ、な」
「……ん」
「……寒いからさ、玄関に突っ立ってないで、早く上がれよ、……な」


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