11月。
ブが畳の楽屋で横になり、ひとりで寝ている。
今日はスケジュールの都合で、予定時刻より随分早めに現場に着いてしまった。
最近仕事が重なり、そこはかとなく疲れていた。
浅い眠りの中で、ふっと違和感を覚いえてうっすらと目を開けると、間近に人がいた。
声を出そうとしたが、口を塞がれた。パだった。
パは、片手でブの口を塞ぎ片手でシーッと自分の口の前に人差し指を立て、
寝転んでいるブの身体をまたいで馬乗りになった。
ブのズボンのジッパーに手をかけて下におろす。それからブに両腕で抱きついてきた。
ブは驚くが受け入れて、馬乗りになっているパを抱きしめた。が、
「待って。仕事、あるから」
ブのズボンのベルトに手をかけているパにそう言うと、パはブを見下ろしたまま、寂しそうに目を伏せた。