コンビ組んだ頃。
ふと目が覚めた。真っ暗だった。
すぐ隣でパが寝息をたてている。
連日の地方営業のため、今夜はふたりで狭いビジネスホテルのツインに泊まっていた。
昨晩妙に気分が高揚していたパが、明日も仕事だというのに
夜遅くまでブのベッドに寝そべりながら色んな事を面白おかしく喋っていた。
ブも笑いながらそれを聞いていた。
そしてそのまま同じベッドで寝てしまったらしい。
ブは暗闇の中、パがこちらのベッドにいるので、自分は隣のベッドに移ってあげようと、体を動かした。
ブの右手がパの左手に少し触れた。
パがその手を掴んできた。
起きてるの？と思ったけど、パはずっと規則正しい寝息を立てている。
今自分がこの手を離すと、パを起こしてしまうかも。
ブは手を繋がれたまま、少し待った。
パの手は温かった。
「ん……」
パが寝返りをうち、ブの方に体が向いた。
いつの間にかパの手が離れて、そしてパがブの体を抱きしめる。
ふたりの体が密着した。