養成所卒業間近な頃の話。
最寄り駅まで二人が歩いている。
「ねー、同期の女の◯◯って子いるじゃん?」と、パがブに話しかける。
「あいつ最近ずっとお前のこと見てるよ?
休み時間におでがお前の隣でお前と喋ってるじゃん?
そうすると何か視線を感じるの。
見ると、あの子がこっちずっと見てるの。おでがあの子見ると、わたし見てませんよーって感じで視線をずらすの」
「それ、別に俺を見てるわけじゃなくない?」
「でもさー、お前がおでといると、あいつ隙あらば話しかけてくるよ?お前に」
「…そうかなあ?まあそうだけど」
「お前は同期の中でも目立つから、お前と組みたいんじゃない?」
「だって俺、相方いるし。男だけど」