短編小説『 Japan First in Asiaを掲げるフジ・サンケイの復活』
ニューヨークの喧騒を逃れ、セントラル・パークの緑陰で語り合う二人の知識人。アメリカのジャーナリズム研究の泰斗、ポール・ウェストランド教授と、フランス国営放送出身の才腕あるテレビ・プロデューサー、ドミニク・ベルトラン。二人は、マンハッタンの瀟洒なカフェで交わした白熱した議論の続きを、午後の柔らかな陽光の下で続けていた。
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「ドミニク、君もそう思うだろう?
1980年代の日本の大衆文化を牽引したフジ・サンケイ・メディア・ホールディングスの復活は、単なる一企業の再興ではない。それは、失われた日本の自信、誇りを取り戻す象徴的な出来事なんだ」
ポールは熱を込めて語った。彼の目は、遠い日本の未来を見据えているようだった。
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ドミニクは深く頷いた。
「全く同感よ、ポール。あの時代のフジ・サンケイは、まさに日本のエネルギーそのものだった。明るく、革新的で、人を惹きつける魅力があった。 それが、昨今のあの体たらく… 一体何が原因なんだろう?」
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ポールは苦笑いを浮かべた。
「例の『性暴力』騒動さ。全く馬鹿げている。
WHOの定義を振りかざして大騒ぎしているが、あれに日本国内での法的な規範性は微塵もないだろう?
そもそも、国際機関の決定事項や条約のような特別国際法の法主体性を有するのは締約国、すなわち主権国家だ。
原則として、国際機関の決定事項や条約のような特別国際法が直接個人を法的に拘束することはないんだよ。」
「その通りね」ドミニクも同意した。
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「国際機関の決定事項や条約が個人を法的に拘束するようにするには国内法化が不可欠だ。それを怠っておいて、あたかも絶対的な規範のように騒ぎ立てるのは、国際法の基本を理解していない証拠さ。」
ポールはさらに続けた。
「それにしてもだ。1億2,000万の日本人の中で、一体何人がWHOの『性暴力』の定義を正確に記憶し、その定義から逸脱しないように常日頃から努めているというのか?
検事や判事ですら、その多くは初めて聞く定義だろう。
そんな曖昧な基準で、一企業の命運を左右するような騒ぎを起こすなんて、自称『被害者X』も第三者委員会も全くの出鱈目、ゴミ屑以下だよ。」