NY為替見通し=ドル円、米長期金利に連れた神経質な動きが続くか
ドル円は米金利先安観の強まりや本邦通貨当局による円買い介入観測などを背景に、米長期金利の低下とともに軟調に推移すると、11・12日に157円台前半に下押した。しかし、前週末のトランプ前米大統領の狙撃事件をきっかけに秋の大統領選で同氏が勝利する可能性が高まったとの見方が浮上すると、インフレ圧力の高まりを想定したトランプトレードが再燃。これを受けて本日は158円台前半まで値を上げる場面も見られた。
本日のNY市場では、米長期金利の動きを見極めることになろう。足もとのFedWatchを見ると、年内では3回目の0.25%利下げも織り込み始めた。そうした中、市場の関心が再び米国の金融政策に戻るようならば、米長期金利の低下とともにドル円に下押し圧力が掛かることもあり得る。
また、米国では7月ニューヨーク連銀製造業景気指数が発表される。市場予想は-6.0と前月と変わらずだが、今年に入ってからはマイナスが続いている。先月は予想ほどのマイナスにはならなかったことで、米長期金利の上昇とともにドルが買われる場面が見られた。直後のドル円は予想との対比で上下どちらにも動く恐れがあり、注意したい。
そのほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長インタビュー応対やデイリー米サンフランシスコ連銀総裁の質疑応答なども予定されている。前週にパウエルFRB議長は議会証言した直後であるほか、デイリー総裁も11日に「経済は今年1-2回の利下げが適切な軌道に乗っているようだ」などと発言している。発言内容が大きく変わるとは思えないが念のため内容は確認しておきたい。
想定レンジ上限
・ドル円は一目均衡表の基準線158.84円。その上は転換線159.67円。
想定レンジ下限
・ドル円は12日安値157.38円。割ると6月13日安値156.59円。