【よろずのつぶやき by Wada】落ち着きを取り戻しつつ
昨日のドル円は、欧州時間に欧州株の下落などを受けて一時145.63円まで値を下げる場面もみられましたが、NY時間に入って米新規失業保険申請件数が予想よりも強い数字となると米長期金利が大幅な上昇。つれるかたちで一時147.54円まで値を上げました。その後の下押しも146.94円までと限定的。米30年債入札が3.1bpの大幅なテール発生となる、昨年11月以来の不調な結果に終わると、再び米長期金利が上昇。147.44円まで買戻されました。
本日のアジアでは、東京が3連休前の実質ゴトー日ということもあり、朝方から実需勢の買いが先行。昨日高値の147.54円を上抜けて一時147.82円まで値を上げる場面もみられましたが、7日の高値147.90円が戻りの目処として意識されたほか、高く寄付いた日経平均が上げ幅を縮めると147.03円まで下押し。ただ、ランチタイムに入って日経先物が上げ幅を拡大するにつれて再び147.56円まで買戻されているといったところです。
いずれにしても、今週は、週初にセリングクライマックスを迎えた、日本当局が自ら招いた世界的規模の金融市場における混乱を、引き金となった張本人が表向きには3者会合を開催して後始末を余儀なくされたわけですが、実際には、連日の本邦長期資金における日本株への大量の買い支えや、内田日銀副総裁が明らかなミスコミュニケーションで混乱状態となった市場への正されたメッセージを送ったことから、市場自身が落ち着きを取り戻し始めているといったところ。本日は、久しぶりにランチタイムの日経平均先物が上昇して、ドル円にもヘッジとしての買いが観測されているといった、平常時の海外勢による円キャリーの動きが観測されています。