【相場の細道】MPC、5羽のハトが利下げ主張
「利下げが速過ぎたり大幅過ぎたりしないよう注意する必要ある」(ベイリーBOE総裁)
1.イングランド銀行金融政策委員会(MPC)(2024年8月1日)
8月1日、イングランド銀行は、政策金利を5.00%に引き下げることを決定した。
金融政策委員会9人のうち4人が据え置き(5.25%)に賛成し、5人が利下げ票を投じた。
【ハト派:利下げ主張】インフレが持続するリスクの緩和に一定の進展があった
・ラムスデンBOE副総裁(57会合):利上げ主張16回・利下げ主張4回・据え置き37回
・ディングラ委員(15会合):利上げ主張2回・利下げ主張4回・据え置き9回
・ベイリーBOE総裁
・ロンバルデリ新BOE副総裁(金融政策担当)
・ブリーデンBOE副総裁
【タカ派:据え置き主張】基調的なインフレが予想より根強く、成長率も予想以上である
・ピル英MPC委員・チーフエコノミスト
・ハスケル英MPC委員
・マン英MPC委員
・グリーンMPC委員
■声明
「金融政策による景気抑制の適切な度合いを各会合で決定する」
「英国のインフレ率は望ましい水準に戻ったが、基調的な物価の上昇圧力は引き続き不快なほど高い」
「総合インフレ率は年末までに2.7%まで上昇し、それ以降は賃金とサービス価格の動向次第」
「インフレリスクは予測対象期間を通じて上方向に傾いている」
「インフレ率が中期的に2%の目標に戻ることへのリスクが一段と解消されるまで、十分に長い期間にわたって景気抑制的な金融政策を続ける必要がある」
■ベイリーBOE総裁
「世界の他の主要中銀と同様に慎重な姿勢を示し、英中銀は政策緩和を急ぐ必要はない」
「インフレ圧力は十分に緩和されため、本日利下げを行うことができた。しかし、インフレが確実に低水準にとどまり、利下げが速過ぎたり大幅過ぎたりしないよう注意する必要がある」
「当局は今後の会合の各回で、状況を検証し事実に対応する」
「今後の金利動向について個人的な見方を述べることはしない。常にそうであるように、会合ごとに決定する」
「十分に自信を深めており、景気抑制の度合いを少し減らすことができると考えている」
2. イングランド銀行の経済・物価見通し
・2024年の成長率予想:+1.25%(※2月時点の+0.5%から上方修正)
・インフレ予想:インフレ目標2%を下回ると予想
2年後:+1.7% (5月時点+1.9%)
3年後:+1.5% (5月時点+1.6%)