【よろずのつぶやき by Wada】大きな代償
2024/08/02 12:14
東京の大手証券の一部デスクは早朝からパニック状態。海外勢からの円キャリー解消に伴う日経平均先物の売りが殺到すると、日経平均は一時2000円を超える暴落となりました。下落幅としてはブラックマンデーに次ぐ状況となっているわけで、明らかにセリングクライマックス的な動きを迎えています。
植田日銀総裁の突然の転向は、市場では政府与党の圧力に屈したことが引き起こす「政策エラー」との認識が強く、一部からは「植田ショック」、もとい「植木ショック」との言葉も聞こえてきているなか、7月の不可解な円買い介入をきっかけに引き起こされた海外投資家による円キャリートレード巻き戻しの動きは、新NISAを国策として進めるなかでの株価暴落といった大きな代償を払わされる副作用を伴って最終局面を迎えているのかもしれません。
「円安が日本経済に悪」という、実際のファンダメンタルズに背いた方針を無理やり貫き通そうとした結果、HF勢のひんしゅくを買う結果となったといったところ。サマーバケーションを終えた海外のマクロ勢が、改めて方向性を持った円キャリーを始めるのかどうか。今後も慎重に見極めていくことになりそうです。
いずれにしても、ドル円については昨日のアジア市場で既に下値を確認したようなかたち。欧州時間はショートカバーが中心となりました。NY時間に入ってからは弱い米指標や株価の急落を受けたリスクオフの動きとなったものの、下押しも中途半端なものに終わっています。
本日は早朝から、日経平均先物が暴落しているのを横目に米系短期勢が売り仕掛けたわけですが、149.00円と148.88円、更には148.95円と149.00円割れを3回試して、ビッドの厚さを確認。仲値にかけて本邦実需の買いが断続的に観測されると149.77円まで買戻されています。明らかに下方硬直性を感じる相場展開。目先は昨日高値の150.89円や200日MAの151.59円付近が戻りの目処として意識されています。