【よろずのつぶやき by Wada】豹変振り
昨日は、日銀金融政策決定会合とFOMCが同日に行われるという、かなり珍しい重要イベントの連続に、市場にはただただ疲労感が漂っているといったところ。アジア時間も早朝こそ日経平均の1400円近い暴落につれてドル円も148.51円まで売り込まれたものの、円キャリートレードの巻き戻しの動きも単発に終わり、逆に月初にからむ本邦実需の買いが断続的に観測されると150.04円まで買戻されるなどの行って来いの動き。「値動きの割には静かな相場だった」模様です。
昨日は、植田日銀総裁の変貌ぶりに驚かされるばかり。肝いりのハト派だった総裁が、たったの1カ月で何故そこまでバリタカ派になり得るのか?といった純粋な疑問が浮上。定例記者会見での「政策金利はまだしばらくは中立金利(1.0%)より低い水準」との見解が、市場に最大限の警戒感を与えたことは間違いなく、ドル円の急落を招くきっかけとなりました。
市場では「想像を絶する政治的圧力があったに違いない」との声が多く聞かれていますが、いずれにしても、日米ともに、金融政策が政治圧力を無視できない状況となってきていることがわかります。市場では「そうは言っても、これだけ株価の暴落が付随してしまうと、何のための利上げが分からなくなってくる」との声も聞かれているわけで、発言を「額面通りには受け取れない」のも事実。8月期初の実需勢のフローとともに、しばらくは本当の意味での転換点を探っていくことになりそうです。