ロンドン為替見通し=欧州GDPや独CPI、そして地政学リスクに警戒
本日のロンドン為替市場では、足もとのユーロ圏景気の弱さがユーロの重しと見られているなか、仏・独・ユーロ圏の国内総生産(GDP)で経済成長の度合いを確かめながらの取引となる。また、欧州・中東の地政学リスクにも注意が必要だろう。
4-6月期GDP速報値では、前期比の数値に目を向けたい。欧州序盤に発表されるフランスの同指標は1-3月期から変わらず小幅プラス、ドイツやユーロ圏もプラス成長維持だがそれぞれ前回から下振れが見込まれている。特にドイツの市場予想が0.1%上昇であり、更に下振れるようならば成長減速への懸念を強めることになるだろう。そうなると、ユーロの買いづらさが意識されそうだ。
なおドイツからは、欧州午後に7月消費者物価指数(CPI)速報値が発表予定。前年比予想は前回から横ばいの2.2%と、コロナ禍後のインフレ減速では最低水準に並ぶ。見込み通り、または更に低下するようであれば、タカ派として知られるナーゲル独連銀総裁も欧州中央銀行(ECB)の利下げスタンス継続に対して柔軟な態度を示さざるを得ないだろう。
地政学リスクでは、フランスで起きた高速鉄道の沿線設備の破壊を実行したとされる極左集団の動向に警戒。同国では各地で通信ケーブル切断事件も発生している。パリでは世界中の多くの人が注目するオリンピックが開かれており、治安の悪化は投資家のセンチメントを落ち込ませえることにも繋がりかねない。
また、先週末の中東ゴラン高原(イスラエルの占領地域)へのロケット弾攻撃を巡り、イスラエルはレバノンに拠点を置く親イラン組織ヒズボラへの報復を示唆。イランの大統領はイスラエルに向けて警告しており、地域の緊張は高まっている。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0872ドル
・ユーロスイスフラン、日足一目均衡表・基準線0.9647フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.0759ドル
・ユーロスイスフラン、25日安値0.9521フラン