NY為替見通し=月間で10円の下落で調整は終わりか?米PCEには要注目
昨日151円台まで下がったドル円は、米国の4-6月期米国内総生産(GDP)や同期の個人消費(PCE)ヘッドライン及びコアの速報値等が総じて強い結果となったこともあり、本日は一時154円台半ばまで回復した。また、本日は政府が率先して円安の流れを作った政策でもある新NISAに絡んだ円売り・外貨買いもドル円を支えている。
月間を通してみると今月3日の161.95円から昨日の151.94円まで下がり、ほぼ10円のドル安・円高が進んだ。また、これまで財務省で為替政策の指揮をとっていた神田財務官の退任となり、ある程度の為替介入の効果を示せたことでメンツも保たれ、ひとまずの円安の調整が終わったとの見方もある。
本日は米連邦準備理事会(FRB)が最も重視しているインフレ指標の一つである、6月の個人消費支出(PCE)デフレーターが発表される。購入した商品やサービスに対する自己負担支出のみをカバーしているCPIと違い、直接支払われないその他の支出(雇用主が提供する保険、メディケアなど)もカバーするPCEの方を米連邦準備理事会(FRB)はより注目しているとも言われている。市場ではデフレーターと、食品にエネルギーを除いたコアデフレーターともに、前年比で小幅に低下する予想になっている。結果が予想より上振れるか、下振れるかで素直に米金利が上下し、連れてドル買い・ドル売りに敏感に反応するだろう。
もっとも、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での据え置き予想が急に変化が生じるとは思えないことで、9月のFOMCに向けてはまだインフレ指標を更に精査する時間もあることで、余程大きく予想と乖離がない限りはトレンドを作るほどの値動きを期待するのは難しいかもしれない。
・想定レンジ上限
ドル円は、日足一目均衡表・転換線155.40円。
・想定レンジ下限
ドル円は、これまでの本日安値153.40円。