東京為替見通し=ドル円、7月東京都CPIで日銀の追加利上げの可能性を探る展開か
25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を上回った4-6月期米国内総生産(GDP)速報値やダウ平均が一時580ドル超上昇したことで、欧州序盤の安値151.94円から154.32円まで反発した。ユーロ円は日本時間夕刻の安値164.83円から167.59円まで反発した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、7月の全国消費者物価指数(CPI)の先行指標となる7月東京都のCPIを見極めて、来週の日銀金融政策決定会合での追加利上げの可能性を探る展開となる。
ドル円は、来週の日銀金融政策決定会合での追加利上げへの警戒感から、円売り持ちポジションの手仕舞いが進んでおり、7月3日の1986年12月以来の高値161.95円から昨日は151.94円まで10.01円の下落幅を記録していた。
ドル円の151円台での注目水準は、2023年11月13日の高値151.91円、今年5月2日未明の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の後に付けた5月3日の安値151.86円、そして200日MAが位置する151.57円付近となる。
さすがに、日銀金融政策決定会合での利上げへの警戒感だけでは、下抜けるまでには至らずに、フィボナッチ・リトレースメント23.6%戻し付近となる154.32円まで反発した。
8時30分に発表される7月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)は、前年比+2.2%と予想されており、6月+2.1%からの伸び率上昇が見込まれている。7月の全国CPIの先行指標となるため、予想通りか予想以上ならば、来週30-31日の日銀金融政策決定会合での、「相応の規模」(植田日銀総裁)の国債買い入れ(現在6兆円:6月約5.6兆円)の減額計画や追加利上げ(現在0.0-10%)観測が高まることで、円買い要因となる。
なお、昨日発表された6月企業向けサービス価格指数は前年比+3.0%となり、2015年3月以来の上昇率となっていた。
また、今夜は米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの6月分が発表される。前年比+2.5%と伸び率の鈍化が予想されていることで、ドル円の戻りを限定的にしている。6月の米CPIが前月比マイナスに落ち込んでいたため、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を待たずに来週のFOMCでの利下げ開始を見込むウォール街の一部金融機関も出てきた。
しかし、昨日発表された米国の第2・四半期の国内総生産(GDP)速報値が年率換算で前期比+2.8%となり、第1・四半期の+1.4%から加速していたため、まだ金利先物市場では来週の利下げ開始の可能性はほぼゼロになっている。
30-31日の日・米金融政策決定会合でのシナリオは以下の通りとなる。
■日銀金融政策決定会合;国債買い入れ(6兆円)&政策金利(0-0.10%)
1)国債買い入れの減額計画:3兆円
2)国債買い入れの減額計画:4~5兆円
3)追加利上げ:+0.15%
■米連邦公開市場委員会(FOMC):FF金利誘導目標5.25-50%
4)現状維持(※フェドウオッチ確率約91%)
5)声明文の文言削除:「高いインフレ(elevated inflation)」※9月利下げ示唆
6)利下げ開始:5.00-25%(※フェドウオッチ確率約9%)
現状のドル円は、1)と3)への警戒感から151円台まで下落してきているため、リスクシナリオは2)、そして4)に留まった場合となる。