(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに小反発。日銀による追加利上げ観測が高まる中、日本株相場の急落や欧州株相場の下落に伴うリスク・オフの円買いが優勢になると、欧州序盤に一時151.94円と5月3日以来の安値を更新した。
ただ、NY市場では買い戻しが目立った。5月3日の安値151.86円がサポートとして働いたほか、4-6月期米国内総生産(GDP)速報値が予想を上回ったことが相場の支援材料となった。ダウ平均が一時580ドル超上昇すると、投資家のリスク回避姿勢が後退し、円売り・ドル買いが加速。1時30分過ぎには154.32円と日通し高値を付けた。もっとも、ダウ平均が80ドル高程度まで急失速するとドル円の上昇も一服した。
なお、イエレン米財務長官はこの日、「我々は市場が決定する為替レートを信じる」と述べたほか、トランプ前大統領の強いドル批判についてはG7財務相・中央銀行総裁会議のコミットメントを引き合いに「為替レートは市場で決定されるべきだ」との見解を示した。
・ユーロドルは3日ぶりに小反発。4-6月期米GDP速報値などが予想を上回るとユーロ売り・ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時1.0830ドル付近まで値を下げた。
ただ、日本時間夕刻に付けた日通し安値1.0828ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。ユーロ円の上昇につれたユーロ買い・ドル売りも入り、2時過ぎには1.0870ドルと日通し高値を更新した。
もっとも、米長期金利が低下幅を縮めると再び上値が重くなった。5時30分前には1.0844ドル付近まで上値を切り下げた。
・ユーロ円は5日ぶりに反発。日本時間夕刻に一時164.83円と5月6日以来の安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ダウ平均や日経平均先物が上昇したタイミングで円売り・ユーロ買いが強まると、一時167.59円と日通し高値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。4-6月期米GDP速報値が予想を上回ると、米景気減速への過度な懸念が後退し買いが優勢となった。指数は一時580ドル超上昇した。ただ、明日発表される6月米個人消費支出(PCE)デフレーターを見極めたいとして引けにかけては急速に伸び悩んだ。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落。エヌビディアやアルファベットなどが売られた。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。世界的な株価の下落で相対的に安全資産とされる米国債には買いが先行したものの、4-6月期米GDP速報値が予想を上回ると一転売りが優勢となり上げ幅を縮めた。
・原油先物相場は続伸。イスラエルとイスラム組織ハマス停戦の思惑もくすぶるなか時間外取引で下落が先行。しかし予想を上回る4-6月期米GDP速報値が景気持ち直しによるエネルギー需要を意識させ、前日比プラス圏へ浮上した。
・金先物相場は3日ぶりに大幅反落。4-6月期米GDP速報値や個人消費、コアPCEの速報値がいずれも市場予想を上回った。経済指標が底堅い結果を示すなか、安全資産とされる金に買いが集まりにくかった。