【市場の目】フランスの政権発足はパリ五輪後に持ち越し
第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト・田中理氏
フランスの政権発足はパリ五輪後に持ち越し
マクロン大統領は最大勢力の左派首相を任命せず
フランスでは議会の最大勢力となった左派連合が首相候補を一本化したが、マクロン大統領は左派連合、与党連合、極右勢力の三勢力ともに勝者ではないと主張。26日に開幕するパリ五輪中の政権発足協議を休戦し、少なくとも8月中旬までは新政権を指名しない方針を明らかにした。パリ五輪後に本格化する政権発足協議では、与党連合が穏健右派や穏健左派を取り込み、政権を続ける可能性が高まっている。極右や極左が主導する政権が誕生する場合と比べて、大幅な財政拡張につながるリスクは後退するが、次期政権下でも国民の反発が強い財政再建は先送りされる公算が大きい。