NY為替見通し=ドル円、日銀利上げ警戒感で上値重いか
本日のNYタイムでは6月米中古住宅販売件数や7月リッチモンド連銀製造業指数などの発表が予定されているが、大きな手がかりにはなりにくくドル円は基本的に米長期金利や米株の動向を睨んだ動きが予想される。最近の円相場はボラティリティが大きくなっており、新規材料が乏しくても既存の手がかりが蒸し返されたり、要人発言一つでドル円は神経質な動きになりやすい。
来週の30-31日に日銀金融政策決定会合を控えているが、ここに来て利上げ警戒感が高まりつつあり、日銀の金融政策イベントもドル円の上値を圧迫しそうだ。今月に入って河野デジタル相が日銀に利上げを要求したと伝わり、円買い要因の一つとなり、同氏は先週末の閣議後会見で政府による日銀への圧力と捉えかねない点について火消しに回ったが、昨日は自民党の茂木敏充幹事長が「段階的な利上げの検討も含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と述べたと伝わった。自民党の次期総裁候補と言われる人たちの異例の発言は、輸入物価上昇の誘因とされる超低金利政策を続ける日銀への政治的不満が高まっていることや国民世論が円安対策として利上げを求めていることを示唆している。
日銀の7月会合での利上げを織り込む動きはまだ限定的で、利上げ見送りが主流となっているが、先週末に発表された6月消費者物価指数では、生鮮食品とエネルギーを除いたいわゆるコアコアでもインフレ率の下げ止まりが確認された。足元で弱めの個人消費が追加利上げに踏み切るかどうかの判断を複雑化させており、7月日銀会合関連のヘッドラインに要注意だ。
・想定レンジ上限
ドル円、本日これまでの高値157.10円や昨日の高値157.61円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、18日安値155.38円や6月5日安値154.80円が下値めど。