ロンドン為替見通し=6月独生産者物価指数と6月英小売売上高に要注目か
本日のロンドン為替市場のユーロドルとポンドドルは、6月独生産者物価指数(PPI)と6月英小売売上高を見極めながら、欧州中央銀行とイングランド銀行の利下げ時期を探っていくことになる。
6月独生産者物価指数(PPI)は前月比+0.1%と予想されており、5月の横ばいからの伸び率上昇が見込まれている。昨日の欧州中央銀行(ECB)理事会は、特定の金利道筋を事前に約束しないとし、総合インフレは来年もかなりの期間、目標値2.0%を上回り続けるとの見方を示しており、物価の下げ止まりの兆候には警戒しておきたい。
6月の英小売売上高は、予想通りに5月分から悪化していた場合は、6月の消費者物価指数(CPI)で利下げ観測が後退したものの、雇用統計で利下げ観測が浮上した後、さらに利下げ観測を強める要因となり、ポンドの売り圧力が高まることになる。
ユーロドルの上値を抑える要因としては、フランス議会が単独過半数の政党がいないハングパーラメントに陥り、連立政権の先行きには不透明感が高まっていることや欧州委員会が、フランスに対して過剰赤字手続き(EDP)を開始すると勧告していることで、フランスの財政危機への警戒感が高まっていることなどが挙げられる。
ポンドドルの上値を抑える要因としては、スターマー新政権の下での財政赤字拡大懸念が挙げられている。
英国の公的債務は1961年以降で最も高い水準にあり、リーブス新英財務相は、秋の財政報告で、増税や支出削減があり得ることを警告している。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0981ドル(3/8高値)
・ユーロ円:172.72円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.3044ドル(7/17高値)
・ポンド円:205.11円(日足一目均衡表・転換線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0792ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ユーロ円:170.00円(7/18安値)
・ポンドドル:1.2911ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:202.11円(7/18安値)