NY為替見通し=前半から材料多し、トランプ氏の演説は後回しか
本日のニューヨーク為替市場は前半から材料多く、値幅を伴った動きが想定される。まずはNY勢の入り際に欧州中央銀行(ECB)が政策金利や声明の公表、その後に複数の米指標が発表され、市場が落ち着く間もなくラガルドECB総裁の定例記者会見が行われる。会見が進む間にも、南ア準備銀行(SARB)が政策金利を公表し、米株オープン後に米景気先行指数が発表予定。
なお米国では本日、共和党全国大会でトランプ前大統領が大統領候補の指名受諾演説を行う。ただ執筆時点では、スピーチ開始の時間は未定。一般的に政治的な主要演説は、夜間のプライムタイムに行われることが多い。そうなると東部時間の20時から22時頃(日本時間19日9時から11時頃)を目安に考えておいたほうが良さそうだ。
ECBイベントについては、政策金利は据え置きが大方の予想。市場参加者は、追加利下げのタイミングを声明やECB総裁の会見で探ることになる。本日を除くと今年の定例理事会は残り3回(9,10,12月)であり、まずは次回に繋がるヒントを見つけたい。
米経済指標は、7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、週間の雇用データ、そして6月米景気先行指標総合指数。景気関連は前回から改善が見込まれており、その度合いを確認することになる。
SARBの政策金利発表は8.25%で据え置き予想。注視すべきは消費者物価指数(CPI)見通しか。早期利下げ観測が浮上しつつあり、インフレ予測次第では南ア金利の先安観が強まることになるだろう。
米株では、昨日大きく売られたハイテク株の動向に目を向けておきたい。半導体受託生産の世界最大手である台湾TSMCの決算が東京午後に発表され、売上高が過去最高を記録した。昨日はトランプ前大統領の発言「台湾は防衛費を支払うべきだ」が嫌気され、同社株は米市場で大幅安となり、他ハイテク株の弱さにも繋がった。本日は好調な業績への反応が注目される。
想定レンジ上限
・ドル円、今週レンジの半値戻し157.12円
・ランド円、日足一目均衡表・基準線8.72円
想定レンジ下限
・ドル円、6月7日安値155.12円
・ランド円、日足一目均衡表・雲の上限8.40円