「過剰な便乗値上げ」で利益率が急上昇
日本企業の"強欲"がリフレ政策を台無しにする≪グリードフレーション≫の罠
https://news.livedoor.com/article/detail/29754780/
日本企業の経常利益率推移
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日本企業の労働分配率推移
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◆「強欲」+「インフレーション」
グリードフレーションの下では、企業は需要の増加と単価の上昇により利益を増やしています
が、設備投資を増やさず、賃上げもインフレに見合うほどはしないからこそ、利益も利益率も
上がります。
これによって、実質賃金は減少し、家計が苦しみますので、リフレ政策の好循環に想定される経
済成長に水を差す形となります。
この現象を判断するには、利益率の上昇と労働分配率を確認する必要があります。
実際、2012年度に発足した第2次安倍政権以降、日本企業の利益率は極端に上昇しています。
2011年度の3.28%から6.78%へと高騰し、その中の中小企業の利益率も1.7倍に増え、史上最高
を更新しています。
同時に、労働分配率も大幅に低下しています。法人企業統計では、2024年度の労働分配率は57.4%
まで激減し、1975年度以降の過去平均62.8%を大幅に下回っています。
結果として、アベノミクスは、企業の利益率の上昇とそれに伴う内部留保の激増によって、リフレ
政策の需要が企業に吸収され、経済成長につながっていないという状況になりました。