ローン完済目前で売却。妻に見放され一家離散
経営そのものが危うくなるなか、院長と折り合いが悪かった高田さんはあっさりと解雇の憂き目に遭ってしまった。
「解雇となったのは’21年の年末。バイト医として日銭でも稼ぐべきでしたが気力が湧かず、精神科に相談に行くとうつ状態だと言われました」
高田さんは関西の高級住宅地に一軒家を構え、妻と一人息子の3人暮らしをしていた。傍から見たら恵まれた生活だ。
「実際は35歳のときに組んだローンの返済額が月々35万円、加えて息子を母校の歯学部に卒業生推薦で入学させたので、初年度は2000万円以上もの学費がかかりました。貯金なんてほぼありません」
退職から1年で住宅ローンの返済すらままならず、カードローンで補塡。4か月ももたず、カードは上限に達し、クビが回らなくなった。