学び舎によると、教科書は全国で名門や難関とされる国立や私立の中学校を中心に38校が採用。毎日新聞が調べたところ、灘中以外に10校が匿名を条件に抗議を受けたことを認めた。担当教諭たちは「教育の独立性が脅かされる」「大変な時代だ」と語った。
10校とも灘中と同じく昨年春からはがきなどで抗議が殺到。「繰り返されたら面倒を避けようと、次の教科書採択に影響が出る学校もあるのでは」と懸念する声もあった。ただ「きちんと検定を通った教科書だ」として今年度変更した学校はなかった。
学び舎の教科書を編集した「子どもと学ぶ歴史教科書の会」の担当者は、取材に「関心を持って考え、学びを深められるよう、子どもの目を意識しながら何年も研究を重ねて作った」と説明。歴史的資料にあえて解説を付けず「子ども自身の疑問を尊重し、どんな答えを出すか本人に委ねた」と狙いを語った。
抗議はがきの主な内容
学び舎の歴史教科書は中学生用に唯一、慰安婦問題(事実と異なる)を記した「反日極左」の教科書だとの情報が入りました。将来の日本を担う若者を養成する有名エリート校がなぜ採択したのでしょうか。反日教育をする目的はなんなのでしょうか。今からでも遅くはありません。採用を即刻中止することを望みます。